「予備試験」で起きた波乱。

(少なくとも合格した人にとっては)明るい話題のはずなのに、なぜか暗いムードが漂っていた新司法試験の合格発表から1か月。
今度は2回目の「司法試験予備試験」の論文試験の結果が発表された。

受験者が600人以上も増えて(7183人)、活況を呈している、というのは既にご紹介した話だったのだが、発表された論文合格者の人数を見て、また驚いた。

なんと、今年の論文合格者数は、H19の旧試験合格者数に匹敵する「233人」。
これは昨年の合格者数(123人)を100人以上上回る結果であり、論文試験だけの合格倍率でいえば、8倍を切っている*1

今年傾向が大きく変わらないとは限らないが、去年の口述試験の例によれば、最後の関門で涙を呑むのは5%ちょっとの人々に過ぎないので、おそらく220人近くの方が、これで新司法試験受験のパスポートを得ることになる。


この試験が、あくまで「予備」試験で、口述に受かれば晴れて司法研修所のパスポートが得られた旧試験と比べれば、“緩くて当たり前”ということになるのかもしれないが、法科大学院ルートで司法試験に挑む受験者が減少傾向にあることを考えれば、やはり法務省もずいぶん大盤振る舞いしたなぁ・・・という感想を抱くのが素直だと思う。

法曹養成制度見直しの動きが活発化する中で、既に水面下で、現行スキームの見直しを先取りするような動きが出始めている、というべきなのか、それとも、今年の受験者が特に優秀ゆえ、「絶対評価」でより多くの受験者を合格させた、ということなのかは分からないけれど、興味深いニュースなのは間違いないところである。


なお、ここまで来た予備試験受験生は、(今年は)残すところあと一つ、ということで、ぜひ気負うことなく、普段通りのスタイルで、口述試験に臨んでいただきたいなぁ、と心から願う*2

*1:論文合格者数がほぼ同数のH19の倍率は9倍近かった。

*2:普段と違うことをいきなり始めたところで、頭に入るはずもないので・・・。

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