「順当に勝つ」がゆえの難しさ。

終わってみれば、1番人気のロゴタイプミルコ・デムーロが完璧な騎乗を見せて「1冠」目を制した今年の皐月賞
2着以下も、エピファネイアコディーノ、という人気通りの決着で、実に順当過ぎる結果、となった。

思えば、ロゴタイプは朝日杯を制して以来、トライアルまで順調に勝ち進んでいたし、2着、3着の馬も、弥生賞こそ一敗地にまみれたものの、2歳重賞から朝日杯、ラジオNIKKEI杯に至るまでのプロセスは順調そのもの。

社台系の牧場で生まれ、社台系の馬主(クラブ含む)の下で、一流のジョッキーに操られていたこの3頭の顔ぶれを見たら、“歴代3強の法則”*1に従い、何も考えずに人気順に買ったとしても、決して嘲笑されることはなかっただろう。

だが、ファンの迷いを象徴するかのように、上位に入った3頭の人気は単勝4倍人気前後で推移し、3連単に至ってはこの組み合わせで、「59.2倍」というかなりの高配当になった。しかも人気順決着なのに「4番目」の組み合わせ・・・。

トライアルが荒れ気味だった牝馬の1冠目で、“もっと荒れる”決着になった1週間前の残像が、コパノリチャードやレッドルーラーといった別路線の伏兵たちに目を向けさせてしまったのかもしれないし、いつもなら過去のレースVTRを見て迷いなく買えるところを、「やれ距離がどうだ」とか「前走は乗り方がうまかっただけだ」とか、挙句の果てには「親父がローエングリンで大丈夫か?」といった迷いまで出てきて、ついつい選択肢から“鉄板”の一頭を外してしまった・・・という人も多かったのではなかろうか。

終わってみれば、きちんとした法則の上に、結果が出ているのに、レースが始まるその瞬間まで、それが見えない。
だから、この時期のレースは、順当に決まれば決まるほど、何となく後味が悪い・・・のである。


なお、この日のエピファネイアコディーノ両頭の引っかかり具合を見たら、ダービーはどっちも厳しいんじゃないかなぁ、という印象にならざるを得ないわけで、次の一冠では、“3強の法則”がひっくり返るような展開もあり得るのではないかな、と思っているところ。

逆に、距離がどうこう、と言われ続けていたロゴタイプは、まだまだ伸びても大丈夫・・・という雰囲気ではあったのだけれど、終わってみればやっぱり・・・ということもある。

まぁ、その時のフィーリング次第、ということで*2

*1:クラシック戦線で「2強」が注目されるケースでは、そのうちの“1強”が大崩れする(あるいは共倒れになる)こともままあるのだが、「3強」が競り合っているケースでは、順位が入れ替わりこそすれ、全部崩れる、というケースはあまりない。

*2:今年のダービーは5月26日。

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