一年経って変わったもの、変わらなかったもの。

別に誰かを強烈に推している、というわけではないのだけれど、何となく見てしまったAKB48の“総選挙”。

指原莉乃が圧倒的得票で1位」という結果は、確かにこれまでの“鉄板”的なセンターポジションの顔ぶれと比べると「意外」なのかもしれないが、冷静に考えれば、指原はAKBにあまり関心を持っていない人はほとんど誰も彼女を認知していなかった昨年でさえ、4位に入っていたメンバーである。

その後の一年の間に、週刊誌で取り上げられ、博多に飛ばされ、健気にバラエティで頑張り・・・と、注目度が格段に上がったことを考えれば、順位を上げても決して不思議ではなかったわけで、これをもってショッキングな出来事と受け止めるかどうかは、単なる“好みの問題”のように思えてならない*1

それよりも、運営側の視点で見ると、むしろ、「1位」を除けば、上位陣の顔ぶれにほとんど変動がなかったことの方がショッキングだったと言える。

NMBの看板娘たちがベスト10に迫る勢いで追い上げてきた、とはいえ、ここ一年何となくフィーチャーされていた感があった島崎遥香は、ベスト10に未だ食い込めず。

名古屋のW松井も、僅かに順位を上げただけで、ベスト5に食い込むことはできず、一年前、「席を譲らないと上に上がれないメンバーは、AKBでは勝てない」と喝破した篠田麻里子は、結局、後続に影を踏ませないまま5番手の地位を死守し、そのまま“卒業”を表明。

そして、来年こそは・・・と、多くのファンが期待していたであろう渡辺麻友は、頂点に駆け上がるどころか、“指原旋風”の前に順位を下げた。


一部のコアなファンの熱意で順位を動かせた初期の“総選挙”とは異なり、今や押しも押されもせぬ「全国区」のスターとなってしまったAKB48の“序列”はそう簡単には変わらない、ということなのかもしれないが、「序列の固定化」は組織衰退の第一歩ともいえるわけで、今回の“足踏み”が、後に「下り坂」の始まりを象徴する出来事として、取り上げられるようなことにならないか・・・

あの手この手で、AKB48をここまでのグループに育てた人々のことだから、もし来年も同じようなイベントを行う機会があるならば、また異なる演出で、もう一花咲かせようとするのかもしれないけれど、一年後の保証すらないのがこの世界の宿命だけに、ちょっと気になるところではあった。

*1:そもそも、「センター」と言っても、投票結果が反映されるのは直後にリリースされる一作品だけで、それ以降、誰が真ん中に来るかはプロデューサー次第なのだから、「1位」の結果に関して言えば、“じゃんけん”の結果と影響度は大差ないともいえる。

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