“圧勝”の先にあるもの。

前回の国政選挙からわずか半年余りで行われた参院選

結果は、大方の予想通り、自民党が過去最多の改選65議席を確保して6年ぶりに参議院第1党に復帰する、というものとなった。

これまで、選挙のたびにこの国の政治の複雑さを演出してきた気まぐれな民意も、前政権に対する失望感が未だ消えないこの時期の選挙では、発揮される余地は到底なかったようで、最近では珍しい同一政党の“3連勝”。

「いつか見た光景」のようではあるが、衆参両院でここまで明確に与党・野党間の差が開くことは、少なくとも今世紀に入ってからはあまりないのも事実で、民主党が結党以来最低の議席数にとどまった、とか、その一方で共産党が15年ぶりに議席を増やした、といった話題すら、政権与党が叩きだした議席数の前では些細な出来事に過ぎない。
そして、我が国は数十年ぶりに、一党のみで立法権をコントロールできる、という次元に突入することになる。


ここ数年の間、政治を停滞させる元凶として常に批判に晒されていた“衆参ねじれ”現象が名実ともに解消されたことは、与党側にとってみれば明らかにプラスだろう。

だが、“驕る○○は久しからず”という、諸行無常の歴史を繰り返してきたこれまでの政治のうねりを思い返せば、この「圧勝」は、政権の中枢にいる人々にとって、かえって“脅威”でもあるように思えてならない。

数の力に任せて長年の悲願を達成しようとする“内なる敵”からの圧力と、物議を醸す政策を実行しようとするたびに“横暴”との批判を浴びせる少数派野党の世論へのアピールをかわし続け、真に有効な施策を打ち続けることができるのか・・・。

内なる敵のプレッシャーに負けて暴走するのも、潮目が変わることを恐れて過度に大衆迎合的な政策に偏るのも、長期的に見れば全く良いことではないし、短期的に一部の利益集団を満足させることができても、これらの本質的な歪みゆえ、少し時間が経てば一気に世論の支持を失うことにつながる。

一度政権を失った苦い記憶が、今がまさに華の政権与党に自制を促し、「理念よりもまず結果」を目指して仕事に邁進するモチベーションをもたらしてくれる、そして、そうなれば、与野党議席数のバランスを犠牲にしてまで現与党に信任を与えた民意も報われる・・・自分はそこに微かな期待を抱いている。

3年後、このエントリーをどんな気持ちで見返すことになるのか、この先、出てくるかもしれない政治的なあれこれ、への怖いもの見たさも、期待感の中には混じっていたりもするのだけれど・・・。

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