親と子。

先日のエントリーでも書いたとおり、ここのところずっと「あまちゃん」にどっぷり嵌っているのだが、特にここに来て面白いなぁ、と思うのが、「親と子」(ほとんどが「母娘」だが)の微妙な距離感が描かれているくだり。

元々、断片的に見ていたシーンだけを追っていても、あるいはダイジェストで名シーンを飛ばし見するだけでも、「夏ばっばと春子」「春子とアキ」という新旧2つの親子関係が、一見対照的に、でも、時折重ねつつ描かれているのが分かるのだが、夏ばっば入院→退院、というインパクトのある出来事が、東京でのオーディション&映画撮影のエピソードと並んで、ドラマの大きな流れになっていたここ2週間は、まさに、このドラマの「親子」ストーリーの一つのクライマックスだったように思う。

言葉では多くを語らない母と、10代で家を出て早くに精神的自立を果たした娘。
久々に故郷に戻った後も、何となく距離感を保ったままだった2人が、孫娘の上京を契機に一瞬近づき、1年の間を経てさらに、母のアクシデントを機にもっと近づく。でも、元々それぞれ独立して長く生きてきた2人だけに、近づきすぎるとお互い微妙な居心地の悪さを感じ、最後は適度な距離感を残して、再び東京と北三陸で、それぞれの道を歩き始める・・・。

自分自身、18〜19くらいの時には実家を半ば捨てて(ただし、実家は残念ながら北三陸よりははるかに距離が近い・・・)、それ以降は、せいぜい数年に一度、二度くらいしか親の顔を見ずに生きてきた人間だから、たまに何かあって帰省した時の居心地の悪さとか、微妙な距離感、っていうのは、痛いほど分かるわけで、その意味では、ドラマの中の春子さんに結構共感しながら見ていたところもあった。

今の時代の親子関係としては、たぶん珍しい部類に入るのだろうし、視聴者が皆、ここのところに共感しているわけでもないと思うのだけれど、ドラマ自体が一定の支持を集めていることを考えると、同じような思いで見ている人も、結構いらっしゃるのかもしれない。

まぁ、今週の展開などを見てしまうと、“羨ましい”と思う前に、この域に達するには、あとどれくらいの年月が必要なのかなぁ、と思って、ちょっと切なくなってしまったりもするのだけれど、いずれにしても、ここは最後まで目を離せないと思うところである。

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