今年の菊花賞で、圧倒的な1番人気に支持され福永祐一騎手を背に必勝態勢で臨んでいたエピファネイアが、見事な勝利を飾った。
逃げるバンデをスタート直後から好位で追走し、最後の直線では2着・サトノノブレス以下を全く寄せ付けず、5馬身差の圧勝。
父・シンボリクリスエス、そして母は、日米オークスを制した名牝・シーザリオ、という良血の名に恥じない快走だった。
実は、金曜日の時点で、須田鷹雄氏が、
「グレード制導入以降『春クラシック馬不在』の菊花賞で、皐月賞とダービーの双方に出走した馬は勝っていない。」(日本経済新聞2013年10月18日付夕刊・第13面)
というデータを紹介していて、皐月賞、ダービーともに出走して2着を確保したエピファネイアには、ちょっと気になる情報だったのだが、結局は、「強い馬はジンクスにかかわらず強い」という当たり前のことが証明されただけ*1。
かつてのディープインパクトほどではないにしても、1周目などは完全にかかりっ放しだったから、道中の体力ロスも半端なものではなかっただろうに、それでもあの勝ち方ができるのだから、これが“本物”でなければ何なのか。
傑出したスターというべき存在感のある馬が、これまでなかなか出て来ていなかった今年の3歳世代が、古馬と混じった時に果たしてどこまで力を発揮できるのか、という問題はまだ残っているものの、この先、キズナと並んで暴れまくってくれるのなら、それはそれで嬉しいこと。
海外遠征をも視野に入れた角居厩舎所属の馬、ということもあるだけに、次も「世界」を意識した戦いを見せてほしい・・・と強く願うのみである。
*1:残念ながら、ちょこっと須田氏の情報を信じた自分の手元には、“伏兵”になるはずだったインパラトールの馬券だけが残った・・・。