ついこの前、「間もなく始まるよ」ムードだったソチ五輪も、あっという間に日程を消化して、フィナーレを迎えることになってしまった。
自分の場合、今回の大会の「-5時間」という時差が、日頃の生活リズムにはちょうどいい感じでマッチしていて、今の状況を考えると信じられないくらい、リアルタイムで競技の映像を見る機会にも恵まれたんじゃないか、という気はしている。
元々仕事が終わって家に帰るのが0時過ぎ、そこでテレビを付けるとちょうど現地時間夕方7時を過ぎたあたりで、スキージャンプにしても、フィギュアスケートにしても、フリースタイル系の競技にしても、ちょうど“ヤマ場”に向かうタイミング。日本時間の早朝時間帯にクライマックスが来る本場の欧州との時差や、昼夜が逆転してしまう北米大陸との時差に比べれば、これはかなりマシな方だし、仮に時差のないエリアでゴールデンタイムに合わせて放映されても、リアルタイムで視聴することはほぼ不可能だということを考えれば、今回の五輪はまさに「ベスト」だった。
なので、スノボの銀・銅はリアルタイムで見られたし、ジャンプの悲喜こもごももカーリングの歴史的な一戦もしっかりフォロー・・・*1。
さすがに、午前4時を回るくらいの時間までクライマックスが引き延ばされてしまうと、翌日がつらい、ということもあるので、フィギュアスケートなどは、ショートプログラムの中継は捨てて、フリーのプログラムだけ気合入れてみる・・・といった対応(笑)をしていたのだけど、いずれも翌日の寝不足が気にならないくらい見る価値があった戦いだっただけに、非常に満足感は高い。
今大会の日本勢の戦いぶりとその結果に対しては、賛否両論、様々な意見があることだろう。
“主役交代”を印象づけるような鮮烈なインパクトを残した新興競技の選手たちもいれば、長野五輪以降の停滞から抜け出したいくつかの競技の選手たちもいる。
だが、その一方で、期待されながらも頂点を極められなかった競技、そして、右肩下がりの寂しさだけが残った競技もある。
メダルの数は、自国開催を除けば過去最高レベル、なれど、伝統と格式のある競技での実績に思いのほか・・・というところはあっただけに、その数ほどは喜びを味わえなかった、という人も多いのかもしれない。
ただ、個人的には、夏の大会以上に、競技者に人間臭さが残っている冬季五輪の大会の、人間ドラマとしての魅力を今回の大会で改めて感じることができたから、その意味で非常に意義のある大会だったのではないのかな、と思う。
そして、アイスホッケーやカーリングの女子チームの大健闘や、ジャンプ団体、複合団体、といったかつて輝きを放った種目が復調の兆しを見せたことが、この国にとっての冬季五輪というコンテンツの魅力を、更に高める方向に向かわせることを期待してやまない。
東京五輪もいいけど、できることなら冬季五輪を、自分が生きている間にもう一度日本に(願わくば東北に・・・)という思いはあるだけに、ここから先の4年間で、こういった魅力がさらに一段と進化を遂げることを願うのみである。
*1:もちろん、本来であれば他のことをしていなければならない時間帯に、集中力を完全にテレビ画面に奪われているがゆえに、いろいろと随所にアタリは出ているのだけれど・・・。