これもまた一つの伝説〜ゴールドシップ、宝塚記念連覇。

W杯も決勝トーナメントが始まり、しかも、最初の2カードが、南米勢同士の見応えある試合だったこともあって*1、完全にブラジル時間に合わせた生活になってしまった週末。


・・・で、起きた頃にテレビを付けたら、例年「忘れた頃に宝塚」という感のある夏のオールスターレースのパドック

一応、昨年の覇者・ゴールドシップが出走しているとはいえ、ついに世界の頂点に立ったドバイ帰りのジェンティルドンナや、近走G1で安定したレースを続けているウインバリアシオン、といった役者たちが揃った中では、今一つパッとしない感じで、「主役」を張るほどじゃないだろうな、というのが率直な印象だった。

だが・・・

初めてコンビを組む横山典弘騎手が、スタート直後からまくり気味で前方に進出。
ゴールドシップとしては珍しく前半から積極的な競馬で前に付け、最後の直線で一気に加速して、ライバル馬を一気に突き放す。

後方待機策をとっていたウインバリアシオンがいつまでも伸びきれず、ゴールドシップをマークするような形で進んでいたジェンティルが、直線でズルズルと退却していく中で、2着に3馬身差を付けての圧勝、という、(前年覇者に対する評価としては失礼ながら)信じられないような結果となった*2

阪神コースでの相性*3だとか、思い切った先行策が功を奏したのではないか、とか、いろいろ説明しようと思えば、いくらでもできるだろうとは思う。

ただ、競馬新聞等で、自分の評価が決して高くはないことを見透かすかのように、このタイミングで勝ってしまう、しかも、人気薄の2着、3着馬を引き連れて・・・というあたりに、この馬もまた、ディープとか、オルフェとかとは、また違った意味で、「伝説」を継承される資格は持っているんだなぁ、ということを改めて感じたのも事実である*4


2着に入ったのが、ハーツクライ産駒でもウインバリアシオンの方ではなく、人気薄のカレンミロティックの方だったり、逃げたヴィルシーナがまさかの3着に粘り込んでみたり、と、上位3頭を見ると、大波乱と言っても過言ではないレースとなった中、何事もなかったように堂々と「連覇」を飾るあたりに、この馬の不思議さが、より際立っているように、思えてならないのである。

*1:ブラジル対チリ戦は、PK戦5人目での決着、という勝負の付き方はともかく、内容自体はむしろもどかしさを感じる(特にブラジルのミスの多さ、不甲斐なさに・・・)“凡戦”だったのだが、その後のコロンビア対ウルグアイ戦は、両者の持ち味が十分引き出された(そして、よりスタープレイヤーの才能と勢いで上回る側が順当に勝った)ということで、最後まで見る価値が十分にある試合だった。ハメス・ロドリゲスとその周囲の選手たちの連動具合を見ているだけで楽しくなるし、ディフェンスの時ですら安易なクリアに逃げないで、しっかり足元で正確につないでカウンターにつなげる、というあたり、コロンビア、というチームは相当洗練されているなぁ、と思う。普通に今の力関係で戦えばブラジルがベスト8で消えても全く意外ではない。

*2:こんな中でも、彼が一番人気だったのだから、競馬ファンはいろんな意味でさすがだと思う。

*3:これで阪神コースは【4100】という好成績。この点は、去年も話題になった(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20130623/1372179204)。

*4:今年の天皇賞のレースを見た時は、「伝説」になるには10年早い・・・というくらいの印象は受けたものだが。

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