今年もやってきた夏のグランプリ、宝塚記念。
有馬と並ぶオールスター戦、という位置付けとはいえ、今年は有力馬の回避が相次いだ(人気投票上位10頭のうち、出走したのはわずか4頭)*1ことに加え、直前に報じられた“ドゥラメンテ3冠or今年の凱旋門賞絶望”というニュースがあまりにショッキングだったこともあって、予想にも何となく力が入らない感じだったのだが、終わってみれば、それなりに印象に残るレースにはなったと思う。
あまりに危険すぎた断トツ1番人気馬・ゴールドシップは、アンチファンの期待そのままに、スタートで大きく出遅れてしまい、巻き返すことなく万事休す。
同じステイゴールド産駒でも、これがオルフェーヴルだったら直線で驚異的な追い込みを見せて2着、3着、という展開もあり得たのだが、ダメなときは徹底的にダメ、というのがいかにもゴールドシップで、名手・横山典弘騎手をもってしても、どうしようもなかったようである。
・・・で、そんなスタートを見た瞬間、自分は一押しだった一頭の馬の勝利を確信し、高配当に期待を寄せた。
それは、名門・角居厩舎がこのレースに出走させた3頭(いずれも牝馬!)の中でも、最も支持が多かった5歳牝馬ラキシス。
昨秋、エリザベス女王杯を制して古馬牝馬の頂点に上り詰め、有馬記念でも差のない6着と健闘、さらに年が明けてからは初戦の大阪杯で、あのキズナを切って捨てた。
同厩舎で同い年の他の2頭と比べても、近走の充実ぶりや牡馬混合戦での実績は一つ抜けたものがあっただけに、ここをステップとして海外に、という夢も膨らんでいたところだったのであるが・・・
終わってみれば、直線で伸びきれず、馬券圏内はおろか、掲示板さえも外してしまう惨敗(8着)。
当日の馬体重+10キロ、といったあたりに、調整過程での問題が現れていたのか、あるいは、ルメール騎手が仕掛けどころを間違ったのか、敗因は良く分からないのだけれど、角居厩舎の他の2頭が相応の成績を残した(デニムアンドルビーが2着、ディアデラマドレが6着)だけに、よりショックは深まる*2。
勝った馬(ラブリーデイ)には罪はないのだけれど、断トツに輝くスターホース、といえるような存在がなかなか出てこない今年の競馬界*3の有様を象徴するようなレースだっただけに、これで一息ついて、夏の間に勢力図を塗り替えるような新興勢力が現れてくれることを、今は期待するほかないのかな、と思うところである。
*1:投票結果については、http://jra.jp/news/201506/061103.html参照。
*2:同一厩舎、同一馬主の複数出走の場合は、一番人気薄の馬を狙え、という金言通りの結果なので、文句を言っても仕方ないのだが・・・。