それでも、同じクラブとして愛せるか。

シーズン当初は「今年こそG1」という昂揚感を抱かせつつも、秋風が吹く頃には不安の方が強くなり、最後は寒さが身に染みる結末となる・・・

もう何年もそんなことを繰り返していた我らが千葉のクラブに、昨年末、激震が走った。

クラブの公式HPで次々と発表される「退団」のリリース。

将来性豊かなレフティ中村太亮選手(磐田)や、十分力を出し切れないままだった森本貴幸選手(川崎)、レンタル中だったGK・高木駿選手(川崎)くらいまでは、まぁしょうがないかな、という感じで見ていたのだが、大岩一貴騎手(仙台)、金井貢史選手(横浜マリノス)、キム・ヒョヌン選手(福岡)といった、ここ数年DFラインを支えてきた若い選手たちが次々と去り、年が変わってからは、昨シーズンの得点源だったペチュニク選手(大宮)、中盤で長年チームの顔として働いてきた佐藤健太郎選手(京都)、谷澤達也選手(町田)といった選手までもが、退団者のリストに載ることになってしまった*1

もちろん、それに合わせた補強を行っているとはいえ、レンタルバックの選手を除いても20名近い退団者を一度に出して、果たしてチームが維持できるのか、ファンでなくても心配になってしまう。

そんな中、ネット上には、昨年ヴィッセル神戸から移ってきた高橋悠太GMが、「大量入れ替え」の裏側を明かした記事が掲載されている。
http://news.livedoor.com/article/detail/11076020/

「財政面の問題」や「チームから心が離れている選手の存在」といったクラブの状態を踏まえて“改革”を断行し、「思いが強い選手」を集めた、というGMの説明は一応理解できるし、言葉の節々から若くしてこのポジションに上り詰めた経営者としての才気を感じるのだが、その一方で、GMは「残したくても残せなかった選手」がいることも明かしており、「24人退団」が必ずしも計算し尽くされたものではない、ということも、透けて見えるところである。

代わりに獲得した選手の中には、長らく続いた“冷たい関係”の時代には、ルーキーで欲しくても決して獲得できなかった地元・市船の元スター選手(大久保裕樹選手や佐藤優也選手)たちもいるし、元松本山雅の船山選手のように、純粋にまだ力が残っている、と思える選手も多い。

だが、これからコンビネーションを構築する時間が必要なことや、入れ替え前後の選手の実績の純粋な比較を踏まえると、開幕の時点で昨年と同レベルの戦力を整えられるのか、疑問は残るところ。

そして、何よりも、長い間サポーターと選手たちが苦楽をともにしてこそ生まれるのがクラブへの愛だ、ということを考えると、「着ているユニフォームが同じだけ」という今年のチームを、心の底から応援できる自信は、今の自分にはない。


名将・関塚監督の下、フィールドで繰り広げられるサッカーの質が一変すれば、当然、サポーターの見る目は変わる。
そして、ほぼ唯一といってよい残留組、生え抜きレジェンド・佐藤勇人選手がどれだけ存在感を発揮できるか、が、オールドファンを繋ぎ止める一つの鍵にもなる。

決して楽観はしていないけれど、例年同様の“裏切り”の歯車が今年は逆側に回る、ということを微かに期待して、シーズンの終わりをひっそりと待つことにしたい。

*1:昨年、このブログに感動を記したばかりだった(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20150106/1420566283水野晃樹選手も往年の輝きを取り戻せないまま、わずか1シーズンで仙台に去った。

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