消費者庁変革の兆しを感じさせる長官人事
消費者庁の5代目長官に、法務省の岡村和美人権擁護局長が就任する、という記事が出ていた*1。
朝日、毎日、産経等の一般紙は「3代続けて女性・・・」という、いまどき何を、という感じの時代錯誤な紋切り見出しで片づけてしまっているし、日経もそんなに詳しく新長官を紹介しているわけではないのだが、岡村氏は法曹界では知る人ぞ知る、の稀有な存在の方である。
外資系企業のインハウスから検事に転身され、司法行政にもかかわって来られた、という経歴は、純粋行政官や消費者団体出身のこれまでの長官経験者とは大きく異なるわけで、とかく立法能力、エンフォースメント能力の弱さが指摘されることの多い消費者庁にとっては、大きな転換点となる可能性を秘めた人事と言えるのではなかろうか*2。
新長官にとっては、“本業”で力を発揮する以前に、“徳島移転問題”という難題を何とかしないと、ということになってしまうのかもしれないが・・・。
野球の「復活」に感じた疑問
リオ開幕を目前に控えたこのタイミングで、IOCが東京五輪での野球とソフトボールの「復活」を発表した。
北京で悲願の頂点に立ったにもかかわらず、連覇に向けた次の瞬間にメジャー競技としての未来を失った日本のソフトボール関係者の思いは察するに余りあるものがあっただけに、地元の五輪で「復活」となったことは実に朗報だと思う。
ただ、セットで野球まで復活になった、というのはどうなのか。
しかも、大陸は5つもあるのに、出場チームはわずか6つ。公開競技の時代よりも小さい規模でのささやかな“復活”である。
日頃プロとしてしのぎを削っている選手たちが、わざわざ盛り上がっているシーズンのど真ん中でリーグ戦を中断して“異種格闘技戦”のような試合に臨むことの危うさは、北京の時に散々感じさせられたことだし、ましてや海の向こうからメジャーリーガーたちが極東の島国まで駆けつけてくれるとは到底思えないのだから、中途半端にこれを競技として復活させるくらいなら、ソフトボールの参加チーム数を増やすなり、空手の種目数を増やすなり、「五輪でこそ輝ける競技」にもっとチャンスを与えた方が良かったんじゃないか、と思えてならない。
そして、4年後の日本野球のレベル、というものを想像すると、6チーム中4位、という思いもしなかったような結果になって*3、地元で選手以外の関係者が憎悪のこもった罵声を浴び続ける・・・見えるのはそんな未来予想図だけである。