2016年8月21日のメモ

朝刊の時点で、「日本史上最多メダル」という見出しが躍り、ほとんどリオ回顧モードになっていたのを見て、まだ男子マラソンも新体操も残っているのになぁ・・・と思ったのだが*1、その辺が言霊の怖さか、あえなくメダル数は「41」で止まった。

ガチンコ勝負の世界だから、“結果を出したもの勝ち”になるのは仕方ない面もあるのだけど、今回メダルに手が届かなかった競技の中にも、もう少しこの舞台に至るまでのプロセスとか、大会での戦いの過程を追いかけてあげても良いのに、と思えたものもいくつかあっただけに、4年後に向けてメディアと“地元ファン”の見る目をもう少し磨いていく必要があるような気がする。

団体球技の明暗とこれから。

今大会、競泳、柔道、レスリング、体操といった個人競技*2でメダル量産となった一方で、今一つ結果を残せなかった印象があるのが団体球技勢。

前回の五輪がちょっと出来過ぎだった、というのもあるのだが、男子サッカーはグループリーグで大会を去り、決勝トーナメントに進出した女子バスケ、バレーといった種目も早々と敗退。そもそも前回大会で銀メダルだった女子サッカーが本大会に出場できていなかったり・・・、という厳しい状況もあったとはいえ*3、全体的に盛り上がれるシーンは少なかった。

同じ決勝トーナメント初戦敗退で、負けた相手まで同じでも、グループリーグで格上相手に3勝を挙げ、決勝トーナメントでも絶対王者だった米国を本気にさせた女子バスケと*4、苦戦の末何とかグループ4位に滑り込んだものの米国に1セットも取れずに敗れた女子バレーボール*5とでは内容がかなり違うし、ジャイアント・キリングを連発してメダルまであと一歩のところまで行った男子の7人制ラグビーのようなチームもあったから、全部ひとまとめに“不振”と括ってしまうのは良くないと思うのだけど、メダルの数にこだわる潮流が強い昨今の流れの中で、「どれだけ強化しても獲れるメダルは1つ」しかない球技の立ち位置がこの先どうなるか、というのは、ちょっと気になるところではある。

男子サッカーで、地元ブラジルが最後のPK戦を制して、会場中が一気に興奮に包まれたシーンなどを目の当たりにしてしまうと、せめて、各種目の最後の日(決勝戦か3位決定戦か)までは、生き残れるチームで地元の五輪に臨んでほしいものだと思うのだけれど・・・*6

そして、“なでしこ”の悲劇の二の舞にならないように、今大会結果を残した種目がこれから始まるシーズンからきちんとメディアで取り上げられ、4年後は堂々と主役の地位に付けるようになることを心の底から願っている。

ラソンの惨敗に思うこと。

福士加代子選手の14位が最高だった女子マラソンに続き、男子マラソンも佐々木悟選手の16位が最高、という結果に。

特に男子の方は、ここ最近、国内の主要大会でも外国人相手にあまり結果を残せていないから、元々大きな期待をかけるのは酷、というところもあったのだろうが、2時間10分を切った選手が2人しかいない、という低速レースでなぜ結果を出せなかったのか、というところはちょっとわからない。

五輪の本大会のレースが、暑い時期に行われ*7、ペースメーカーのいない消耗戦になることは分かっているのだから、選考レースの時期だの場所だのを、もう少し考え直しても良いのではないか、という気もするのだが、過去の成功体験があるだけにドラスチックに変えるのは難しいのかな、とも思ったり。

個人的には、女子のレースの後の有森裕子氏のコメント*8などは、非常に細かいところまで見ていて面白いな、と思ったのだけれど、経験豊富で優秀なコーチ陣が精一杯フォローしての結果がこれだけに、しばらく暗中模索、ということになってしまうのかもしれない。

優勝旗は北に届かず。

速報のスコアボードが、北海高校の先制を知らせてくれたときは、もしかしたら…と思ったのだけど、連投のエースにはやはり酷な戦いになってしまったようで。
作新学院と聞いて、江川卓氏の顔しか思い浮かばない世代の人間にとっては、「54年ぶり」という歴史を掘り起こした栃木の古豪の選手たちの活躍もまた眩しくはあるのだけれど・・・。

いずれにしても、4年後は日程をずらしてあげないとかわいそうだな、ということが改めて分かった夏ではあった。

*1:上位争いに絡める可能性が低かった男子マラソンはともかく、新体操は予選の段階で銅メダル争いは紙一重、くらいのスコアは出せていたはずなのだけど・・・。

*2:もちろんリレーや団体戦もあるが、あくまでベースは選手個々人にある、という点において。

*3:勝負事にたらればは禁物だが、今大会、米国が準々決勝で敗退する、という大波乱もあっただけに、予選でもう少し歯車がかみ合っていたら・・・と思わずにはいられない。

*4:結局、米国女子チームはその後も影も踏ませぬ強さで勝ち切って優勝した。

*5:明らかに力の差がある相手以外とは見せ場を作れずに終わってしまった感が強いし、日本との闘いでは圧倒的な力の差を見せた米国女子チームも、次の準決勝でセルビアに敗れて銅メダル止まり。

*6:次回五輪は、予選免除で出ようと思えばすべての競技に出場できてしまうだけに、なおさらである。

*7:今回はブラジルだから、正確には冬で、まだ相対的に寒い時期なのかもしれないが、映像で見ている限りは日本の真夏のレースとあまり変わりないような雰囲気ではあった。

*8:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06064790V10C16A8000000/

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