2016年8月28日のメモ

ブログエントリーの執筆スタイルを変えたのを機に、今月に入ってからは連日投稿していたのだが、さすがにこのまま続くとも思えないので一日空けてみた。
ネタの溜まり具合を考えると隔日ペースくらいが理想かな、とは思うが、夏休みモードも終わりつつある中で、この先どうなるかは神のみぞ知る、という感じである。

鹿児島県知事が九電に川内原発停止要請

当選直後から注目されていた鹿児島県の三反園知事が、九州電力の瓜生道明社長に対し、「川内原子力発電所を直ちに停止し、再点検・再検証をするように申し入れた」との記事が、各紙の土曜日の1面で報じられている。

日経紙などは、早速日曜日の社説で、「原発停止を求めた鹿児島県知事への疑問」という論陣を張っているし*1、朝日や毎日といった原発懐疑派のメディアも、法的な権限なく原発停止申入れというセンシティブな行動に出た知事のやり方を全面的に支持しているわけではない*2

原子力規制委員会の審査をクリアしたからと言って「絶対的に安全」と断言することができない、ということは、原発に限らず過去に起きた様々な技術分野での事故が証明してしまっているから、知事が変わったタイミングで改めて再点検・再検証を求めること自体は悪いことではないと思う。
ただ、その手段として「既に再稼働している原発を止める」というのは、あまりにパフォーマンスに走り過ぎていて相当性を欠くのではないかなぁ、というのが自分の個人的な意見で、というのも、これまでの経験則上、「(普通に動いているものを)止めたり、動かしたりを繰り返す」というのが機器にかける負荷が一番大きく、そのまま動かし続けるよりリスクを拡大することも多い、ということを何となく感じているから・・・*3

しかも、原発の場合、稼働していようがいまいが、そこに放射性物質がある限りリスクは変わらない*4

選挙の際に、反原発派を取り込むために政策協定に入れて公約までしてしまった以上、新知事としてはこの停止要請をすることは避けて通れなかったのだろうけど、これからの原発政策で一番大事なのは、“現役”の原発を止めることよりも、「新たに作らせない」ことや、「老朽原発を迅速に廃炉に持っていく(当然ながら「放射性廃棄物」の処理まで含めて対処する)」ことであって、今の川内原発をめぐって時間を止めることは、必ずしも得策ではないように思えてならない。

共謀罪」新法案で復活か?

くじけてはまた出るしぶとい「共謀罪」が、「国際テロ対策」とか「東京五輪」という口当たりの良い立法事実(?)とともに再び湧きあがってきた。
今度は適用要件をさらに絞る、ということだから、出てくる法案を見たら、なんだこんなものか、というものになるのかもしれないが、条約に乗っかって(わが国において厳格であるべきはずの)刑法の構成要件をわざわざ緩めなくても、立法事実を達成するための方法は他にいくらでもあるはずで、今のトーンでそのまま立法まで押し切ることには、素直に賛成しかねる、ということはコメントしておきたい。

東洋ゴム免震偽装めぐり株主代表訴訟に補助参加せず

株主の提訴請求を会社(監査役会)が蹴とばしたことで株主代表訴訟が勃発している東洋ゴムにおいて、会社が「原告と被告のいずれにも補助参加しない」という決定を行ったということである*5

普通、提訴請求を蹴飛ばす=「会社としては取締役に法的責任を問うべきではないと考えているため、代表訴訟が提起された後は被告(取締役)側に補助参加する」というパターンが多いと思うのだが、ここであえて取締役をサポートする側に入らなかった、ということが何を意味するのか。今後の審理の行方と合わせて注目したい。

NHK受信料 ワンセグ契約義務なし

ワンセグ付きの携帯電話を所有する者」が受信料契約を締結し、受信料を支払う義務を負うか、という問題について、さいたま地裁が契約義務を否定する判決を出した。
これまで、NHKの現場は「ワンセグでも受信料が必要」というスタンスで集金活動にいそしんでいたように思うし、それでいて、携帯電話保有者のうち「ワンセグで受信料を払った」という者はほとんどいない、というおかしな状況が続いていたから、今回、朝霞市議が提起した訴訟の結果白黒がはっきりするのであれば、個人的にはこれで良いと思っている。

あくまで放送法64条の「設置」という文言の解釈をめぐる判断のように思われるだけに、上訴された場合、異なる解釈が示される可能性も相当程度残っている、ということは肝に銘じた方が良いと思うが、判決の結論がどうあれ、ワンセグで受信料を払う人が増えることはない、ということだけははっきりしている。

「新国立競技場」問題は“円満解決”?

設計が白紙撤回され、その後に露呈した五輪関係の様々なトラブルの引き金ともなった感のある「新国立競技場」問題で、日本スポーツ振興機構(JSC)が一定の総括を行ったようである。

日経紙に掲載された記事*6では、白紙撤回した計画に支出した費用が約68億6000万円であったことなどが公表された旨報じられているが、中でも興味深かったのは、旧計画でデザインを担当したザハ・ハディド氏事務所側からの「新計画のデザインが旧計画に類似している」という指摘*7「円満に解決した」というJSCのコメントが紹介されているくだりである。

何をどうしたから「円満」ということになったのか。新計画の設計に際しても一定の報酬を支払う、という整理をしたのか、それとも他の方法で話を丸めたのか。

本当にこれで解決したのだとすれば、ザハ・ハディド氏本人が本年3月に急逝したことも背景にあったりするのかな、と推察したりもするところであるが、今後のこともあるだけに、できることなら何らかの形でことが明らかにしてほしいなぁ、と。

名将・石井正忠監督の悲劇

選手時代は、草創期のJリーグ鹿島アントラーズの主力選手として、攻撃から守備までフィールドを縦横無尽に駆け巡る活躍で名を馳せ*8、引退後は長く古巣でコーチ経験を積み、昨シーズン途中に監督に抜擢されるや否や、昨年のナビスコ杯優勝、今年の第1ステージ優勝という素晴らしい結果を残してきた石井正忠監督。

この1年で「古豪を復活させた名将」としての地位を一気に固め、日の当たる舞台に出てきた感があったのだが、ここに来て「心労による体調不良」で辞任、という衝撃的なニュースが入ってきた。

直前に選手交代をめぐって金崎選手にキレられる、という騒動はあったものの、その試合も終了間際の決勝ゴールで湘南ベルマーレを見事に葬り去っており、選手交代も含めて采配自体は高く評価されている。また、1stステージに比べると2ndステージは出だしからもたついているものの、年間トータルでJ王者になれる可能性はまだまだ残っていた。
同じ監督交代でも、刀折れ矢尽きた感のあったグランパスの小倉監督とは状況が全く異なる。

なのになぜ・・・。

最近存在感を失いつつあったチームに“ジーコイズム”を注入し、アントラーズを再び戦う集団に作り上げる、という手腕を発揮していた裏で、神経を激しくすり減らしていたのだろうか。

「フル代表にも日本人監督を!」という声が強まっている中、世代やキャリアの差こそあれ、石井正忠小倉隆史といったJリーグ草創期にレギュラーを張っていた世代の監督が、志半ばで現場を去っていくのは何とも寂しいわけで、特に石井監督には、ここでの一頓挫をまた糧にして、再度現場で指揮を執る姿をもう一度見せて欲しいと思うのだが、その願いはかなうのだろうか。

*1:日本経済新聞2016年8月28日付朝刊・第2面。

*2:「知事の本気度」を問う毎日新聞の記事などは、もっとやれ、と煽っているように読めなくもないが、いずれにしても知事に全面的な信頼を置いた記事ではない(http://mainichi.jp/articles/20160827/k00/00m/040/127000c参照)。

*3:あくまで機械に関する一般論だが、先の震災直後に当時の首相が浜岡原発を停止させたときも同じことを考えていた。

*4:むしろ、稼働を止めて守備につくスタッフが手薄になったところで災害に直面する方が、対応が厳しくなることだって考えられる。

*5:日本経済新聞2016年8月27日付朝刊・第12面。

*6:日本経済新聞2016年8月27日付朝刊・第39面。

*7:詳細はhttp://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20160115/1453051031参照。

*8:当時ヴェルディ勢が固めていた攻撃寄りのMFということもあって日本代表には縁がなかったが、“いてほしくないところに顔を出す”典型的な選手で、相手チームのサポーターにとっては実に憎たらしいタイプの選手だった。