2016年9月28日のメモ

ここ数日、会う人会う人と、「9月ももう終わっちゃうよ〜」という会話しかしてないような気がして、それっくらい追い込まれている半期末。
まだほんのりと暑さが残っている間は、カレンダーのことは忘れて仕事をしたい気分ではあるのだけれど、我に返るとシビアな現実・・・である。

北海道日本ハム奇跡の逆転優勝

オールスター休みに差し掛かるくらいまでは、「もう決着ついたね」と皆思っていたパ・リーグで、北海道日本ハムが11.5ゲーム差をひっくり返して優勝を果たす、という大波乱が起きた。
“メーク・ミラクル”の屈辱から苦節20年でリーグ優勝したチームが出た年に、こういうドラマが起きる、というのは何とも不思議なことだとは思うが、後半戦の戦いぶりだけを見ていれば、ファイターズが優勝に最もふさわしいチームだったことに疑いはないだろうと思う*1

そして、最後の最後に「打」を封印して本気の全力投球をした大谷翔平選手の圧巻の完封劇。

“二刀流”に懐疑的な評論家は未だに多いし、自分も、大谷選手が打者に専念したら、どれだけ凄い選手になるんだろう(そういう意味で自分は「打者」派である)と思うときはあるが*2、それでも今日のようなピッチングを見てしまうと、「投手か打者のどっちか」だとやっぱりもったいないと思うわけで・・・。

「10勝、100安打、20本塁打」というギネスブック級の偉業を成し遂げてもなお、“二刀流”に懐疑的な目を向ける人が消えないようなら、来シーズンは「20勝、200安打(あるいは4割とか50本塁打とか)」で決めてやれ、という感じである。

何のための知的財産制度見直しか?

26日付け朝刊に、IoTデータを営業秘密として保護する云々、という記事が載っていたと思ったら、翌日には、経済産業省特許庁による検討会設置、というニュースまで出てきた。

経済産業省特許庁は26日、モノとインターネットをつなぐIoT技術や人工知能(AI)を活用する『第4次産業革命』に備え知的財産制度を見直すための検討会を設置すると発表した。」
「データやAIを特許や著作権で保護するのは難しいことから、経産省不正競争防止法に基づく『営業秘密』として扱い保護を強化する方針だ」
日本経済新聞2016年9月27日付朝刊・第5面)

特許や著作権でIoT関係のデータを保護するのが難しい、という点は分かるが、「営業秘密」として扱うためになぜ法改正が必要なのか、というところは、自分は未だに良く分かっていない。

不正競争防止法上、「営業秘密」として保護されるかどうかの要件は明確に定まっているわけで、IoTデータだって、一定の要件を充たせば現行法の下でも当然保護されて然るべき、ということになる。
それにもかかわらず、あえて法改正をしたい、というのは、既存の不競法の要件だけでは保護できない何かがある、ということなのだろうが、それが何なのか、ということが今一つピント来ない。

いずれ、本格的に議論が始まれば分かることなのかもしれないが、「第四次産業革命」というタイトルと合わせて、これら一連の動きが何となく謎めいて見えてしまうのは自分だけだろうか。

「法案文書 自動で作成」?

最初見出しをみたときは、日本のAI技術も立法ができるくらい進化したのか、とぶったまげたが、よく読めば、

「改正案に必要な単語などを電子システム上で入力すると、どの文言がどう改正されるかを示す『改め文』が自動的に作成される」(日本経済新聞2016年9月27日付朝刊・第5面)

というレベルの話で、なーんだ、という感じではある。

もちろん、ちょっとした用語の置き換えや表現の書き換えでも、積み重なれば膨大な作業量になることはあるわけで、作業量軽減、という点では非常に大きなインパクトがある話なのは理解できるところ*3

個人的には、「・・・に改める」的な、誰も読まない(まともに読めない)体裁の法案フォーマットは廃止してしまって、「現改比較表のみ」で対応した方が、よほど効率的、かつコスト削減にもつながるのではないか、と思うのだが、そこまで行くのはいつになることやら。

法科大学院、風前の灯

ここ数年の恒例となっている文部科学省の「法科大学院評価結果」が今年も出た。

かつてに比べると、リストに上がっている法科大学院の数も大きく減ってしまい、随分とコンパクトな感じになってしまっているのだが、それでも、最低ランク(補助金の基礎額ゼロ)となった法科大学院は7校もある。

「金沢大、北海学園大青山学院大、明治大、桐蔭横浜大、南山大、近畿大

これだけインパクトのある話なのに、どういう基準でこの評価をしたか、ということについて、個別の大学ごとの“講評”がどこにも見当たらないのだが、前年度までは「60%」の評価を受けていた明治大、青山学院大桐蔭横浜大といった関東の名の通ったローがここに入ってきてしまったのは何でなのか、とか、逆に西南学院大が0%→80%と躍進を遂げたのは何でなのか、などなど、いろいろと疑問は尽きない。

そして「合格率」を基準とする限り、こと「司法試験」という競争上は大きなハンデがある社会人向けの夜間法科大学院の評価が必然的に下がってしまう、ということも気になるわけで。

リストがコンパクトになっていく過程で、司法試験の受験者、さらには法科大学院の受験者自体も激減の一途を辿ってきた、という歴史が厳然と存在するだけに、安易な傾斜配分で裾野を狭めるような愚は犯さない方が良いのではないか、と思うのだけれど・・・。

米大統領選討論会の“印象”

アメリカの大統領選もいよいよ大詰め、ということで、第1回のテレビ討論会が行われた。

27日夜、CX系のユアタイムという番組でダイジェストを見たのだが、その時の編集は「ヒラリー圧勝」を強く印象づけるもので、コメンテーターの発言もそれに添ったもの。
合わせて報道されたCNNの世論調査でもヒラリー・クリントン候補の勝利、という意見が圧倒的多数を占めていた。

ところが、一夜明けて、日経紙を見たら、有識者のコメントも、現地メディアの世論調査の数字も、「思いのほか拮抗した討論会だった」という総括になっている。

今や、YouTubeに討論会の映像が字幕付きでアップされる時代なのだから、自分で見て判断しろよ、ということなのだと思うが、元々、候補者双方のキャラが強く、メディアの中にも有識者の中にもかなりの好き嫌いがある、ということで、何を信じればいいのか、なかなか判断が難しい戦いになってしまっているな、という印象はある*4

所詮、異国の地での出来事とはいえ、他山の石として考えさせられるところは多いような気がする。

千両役者の陰に隠れてしまった新体制の船出。

自身の国籍問題に加え、しばらく表舞台から遠ざかっていた野田前首相を幹事長に復帰させたことで*5、何となく微妙な評価になってしまっている民進党蓮舫代表。
そして、最初の大きな見せ場になるはずだった国会の代表質問も、明らかに日が悪かった。

プライムタイムの政治系ニュースは、千両役者・小池百合子東京都知事所信表明演説一色。

矢継ぎ早に打ち出す“ガラポン”的な見直しの指示がことごとく当たり、「これまでの都政」への不満をそのままのみ込んで支持率を上げていく、という手法はマネしたくてもそうそうできるものではないし、彼女の見えない影が、本来放逐されていても不思議ではなかった若狭勝衆院議員を党公認の“後釜”候補にまで押し上げた、という現実もある。

ただ、全国ニュースで国政よりも都政の方が盛り上がってしまっている状況は、やはり本来、あまり歓迎すべきことではないわけで、野党第一党には、頼むからもう少し存在感を高めてくれ・・・と思わずにはいられないのである。

*1:どちらも嫌いではないチームだけに、このまま日本シリーズでぶつかることになった場合にどちらを応援するか、というのが、悩ましい問題になってくるのだが・・・。

*2:現に、今年のファイターズの逆転劇が、大谷選手が投げられなくなってバッターとして毎試合出場したことで、打線の迫力が格段に増したことに起因する、というのは疑いない事実である。

*3:民法(債権法)の改正案なんかも、整備法案と合わせると改正法案それ自体のボリュームは、とてつもないものだった。

*4:そもそも、予備選の段階から米国メディアは読み違いを繰り返し、結果的に誰も予想しなかったトランプ候補がテレビ討論会の場に立っている、という現実もある。

*5:結果的に選挙での大敗を招いたとはいえ、消費税増税という大きな政治的決断をした野田首相には、歴史に名を刻む資格があると思っているし、まだまだ表舞台で活躍してほしい、と思っているだけに、個人的には朗報だったのだけど・・・。

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