今日は孝行息子になれなかった兄弟。

おそらく、日本中央競馬のG1の中ではもっとも知名度が低く、地味なレースといっても過言ではないであろうチャンピオンズカップ

今年も最後の挑戦になるはずだった一昨年の覇者・ホッコータルマエがレース直前に負傷引退。
さらに、あのクロフネの日本レコードに迫る好タイムで武蔵野Sを制したタガノトネールが衝撃の予後不良、と役者が次々といなくなり、前走勝った馬が2頭しかいない*1、という寂しいメンバーとなってしまった。

そんな中、微かに期待を盛り上げてくれたのが、あの天皇賞馬・ヘヴンリーロマンスが米国で産んだアウォーディーラニの兄弟がどこまでやれるのか、という話題。
特にアウォーディは、昨年秋にダート路線に転向してから、武豊騎手が騎乗して6連勝。前走はJBCクラシックで初の交流G1タイトルまで奪取し、今一番旬のダート馬という感もあっただけに、個人的には、勝てるかどうかではなく「どこまでちぎって勝てるか」が焦点だ、と勝手に思い込んでいた。

実際レースが始まってからも、モンドクラッセコパノリッキーあたりがかなり速いペースで引っ張り、直線に入って力尽きかけたタイミングで、アウォーディ―が好位置から先頭に躍り出た時は、勝利間違いなし、と確信したのだが・・・

ほぼ最後方のポジションから前年3着だったサウンドトゥルーが一気に差しきって、アウォーディ―は万事休す。

元々勝った馬は、去年もノンコノユメと一緒に別次元の脚で3着に食い込んでいるし、その後、東京大賞典馬にまで出世している。昨年以上にペースが上がったレースで、上がり3ハロン35秒8、と芝の上を走っていたようなタイムで突っ込んで来れば、どんな実力馬でもさすがに太刀打ちするのは難しかった、ということなのだと思う*2

だがそれでも、ここを通過点に来年のドバイまでは「ダート無敗」という神話をキープしていてほしかった自分としては、今回のクビ差に憤りを隠さずにはいられない。
そして、ほとんど見せ場なく9着に敗れた弟のラニともども、最後の最後に勝負強かった母の域に達するにはまだまだ・・・と言わざるを得なかった。

今は、今回の敗北をバネに、より強い調教で鍛えられたこの兄弟が再び大舞台に返り咲き、より一歩上の舞台に挑戦する日が来ることを願うのみなのであるが、主役がコロコロと入れ替わるダート路線でそううまくいくかどうか。

少なくとも、「父・ジャングルポケット、母・ヘヴンリーロマンスというコテコテの日本G1馬同士の交配ながら、複雑な事情で「マル外」扱いとなっている(したがって日本でも父母ともに英語表記となる)」アウォーディ―には、そんな事情に関係なくサイヤーラインがアルファベットで表記される海外の舞台こそがふさわしいと思うだけに、次戦で今回のうっぷんを晴らすような爆勝を飾り、再び神話を紡ぎ出してくれることを信じてやまない。

*1:後述のアウォーディーみやこS勝ちのアポロケンタッキーだけ。他の馬は同じレースでこの2頭に負けた馬と武蔵野Sの2着以下の馬。

*2:個人的には同じ脚質のノンコノユメを対抗にしていたこともあって、より複雑な心境ではある。中央G1連続2着の実力馬もセン馬になってからの結果が今一つなのが気になるところ。

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