何を信じるか、の分かれ道。

同じ牝馬の中で競り合うのみならず、2歳時から牡馬のG1レースに首を突っ込んでみたり(ミスエルテ、ファンディーナ)、挙句の果てには同世代のマイル王決定戦でワン・ツー独占してみたり*1、と、話題には事欠かない今年の3歳牝馬陣。

ただ、唯一欠けていたのは、名実ともに「世代の顔」となれる存在で、桜花賞を制したのが伏兵レーヌミノル皐月賞で果敢に牡馬に挑んだ2頭も結果を出せなかった、という状況の中、オークスでどの馬が看板馬になれるか、ということだけを注目して見たのが今年のオークスであった。

桜花賞と比べるとより紛れの少ない東京2400mのコース形態、さらに距離への適性等を考えれば、ソウルスターリングを再び本命に推すのが常識的な予想者だったのかもしれない。

ただ、自分は、桜花賞レーヌミノルの思わぬ低人気(最終的に単勝10倍超の4番人気)や、以前から距離伸びてこそ、と言われていたリスグラシューの堅実さ(そしてその割に伴わない人気)、そして何よりも、「一度期待を背負ってコケた馬は買いたくない」という心理から、あえて桜花賞の人気を引き継いだ1番人気、2番人気馬(ソウルスターリング、アドマイヤミヤビ)を外して勝負に出た。

「人気なんてものは、その時々の結果次第でいくらでも移り変わる。クラシック戦線開幕前の「今年はソウルスターリングの年」という風評はこのオークスの結果をもって霧散し、『二冠・レーヌミノル』か、『堅実一途のリスグラシュー』が、この先、世代の顔として語り継がれるのだ!」

という根拠なき確信。

終わってみれば、フローレスマジックをペースメーカーに、常に先手を取って押し切ったソウルスターリングが千両役者としての意地を発揮し、モズカッチャンを挟んでアドマイヤミヤビが3着を確保する(そしてソウルスターリングとアドマイヤミヤビの組み合わせのワイドでも配当がそこそこ付く)、という、実に歓迎せざる結果となり、桜花賞前からの“前評判”を素直に信じた者だけが救われる、という結果になってしまったのだが、多くの人が不幸に陥らなかった分、逆のパターンになるよりは、まぁよかったのかな、と。

コース自体の完成度が高まり、今回、「2分24秒1」というダービーの勝ちタイムにも匹敵するような好タイムが出たことが、次週の3歳最高峰レースの予想にどう影響するのか*2、というのは気になるところだし、さらに言えば、オークス以上に“前評判”が裏切られた感が強かった前走の結果を、今回の予想にどう取り入れるか、に、勝負師としてのセンス(笑)がより問われることになるわけだが、自分はやはり、前走の結果こそが全て、という信念で、懲りずにもう一丁行きたいところである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20170507/1494688070参照。

*2:皐月賞自体が猛烈なレコードタイムでの決着だっただけに、その流れをそのまま引き継ぐのかどうか、という点は一つのポイントになるだろう。

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