歓喜のオーストラリア戦から、アウェーへの移動を挟んで僅か中4日。
グループ内の順位を決する「最終戦」であるにもかかわらず、出場権を争っていた2位、3位チームの試合時間帯が大幅にずれている、といういかにもアジアらしいシチュエーションの下、日本代表が戦う敵・サウジアラビアは「ライバルチームの結果を見届けてから試合ができる」絶対的有利な状況、しかも、相手のホームで、オイルマネーで買い占めたスタンドの座席を無料開放して6万人のサポーターを集める演出をされてしまったとなると、「消化試合」になってしまうのもやむを得なかったといえるだろう。
夜更かししてチャンネルを合わせることもなく、朝起きて結果を見たら「0−1」。
「消化試合」である以上、過度に勝敗にこだわる必要はないし、過酷な環境&スケジュールの中での戦いだったことを考えると、1点差負け、というのは、決して許されないものではない。
また、前半限定で本田圭祐選手を使う、という“実験”をした上でこの結果になった、ということは、来年に向けたA代表の編成を行う上で、後々利いてくるような気もする*1。
ただ、最終順位表だけ見ればアジアの中でも「紙一重」、というこの結果を見たら、まだまだ本戦で勝ち抜けるようになるまでの道のりは遠いな、と言わざるを得ないわけで、ここからの9ヵ月でさらなる戦術の熟練と「世代交代」を進めない限り、前回大会の悪夢を拭い去ることはおそらくできない。
幸いにも、最後の2連戦の直前に吹き荒れていたバッシングの嵐はすっかり止み、ハリルホジッチ監督には、チームの革新を加速させるための時間が与えられた。
そして、これまで何度も書いた通り、監督が目指す方向性は決して間違っていないと思われるだけに、後は、その方向性をフィールドで的確に表現できる選手を少しでも多く集めてほしいな、と思わずにはいられないのである。
なお、最後のステージが始まるちょっと前に出されたNumber934・935号。
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既にレジェンドになった選手、なりつつある選手たちが語る「思い出の試合」のエピソードが面白かったのだが、一方で、フランスW杯最終予選で奇跡を呼んだ指揮官の当時の年齢を既に自分が追い越してしまった、ということにも気づいてしまったわけで。
今の自分が、追い詰められた場面で、あれだけの大胆な決断をできるだろうか、とか考え出すとキリがない・・・。
*1:個人的には、本田選手に代えて岡崎選手をウイングポジションに入れ、真ん中の大迫選手と組ませるのがベストだと思っていたりもするので・・・。