今こそ真の「保守」を!(笑)

この3連休は、最近では珍しく、どこに行くでもなく会社に足を運ぶことすらなく、ほぼひきこもり状態で時を過ごした。
家にいる、と言っても、仕事と関係ないことのために使える時間は限られているから、結局は、“やりたいことできないフラストレーション”*1は溜まる一方。そして、こんな時に限って、日中テレビを付けると選挙ムード一色でげんなりする。

元々、今回の解散には「後付けの大義」しかなかったし、その戦略を崩した小池都知事の新党にも、「自民党に勝つ」以外の理念や使命感があるようには見えない。
加えて、政策ときたら、もう何度目だよ、と思うくらいの“何たら改革”のオンパレード。
本来であれば、政権を守るべき自民党ですら、「改革」を超えて「革命」まで逝ってしまっているのだから、開いた口がふさがらない。

今の政権に対してはいろいろと批判も多いのだが、自分は、表で叩かれているあれこれよりも「成長戦略」に一番問題があると思っていて、特に、昨年くらいからか、「第4次産業革命」という、経産官僚の自作自演的なキャッチコピーが使われるようになったのを見た時に、もう駄目だなこの人たち・・・と思ったものだった。

世界的な金余りと、新興国の着実な経済成長に支えられて好景気の波が来ている今の日本は、少なくとも2020年まではしばらく放っておいても緩やかな経済成長が見込める。懸念されている社会保障給付の問題も、あと数年の間に、日本の人口構造が一気に変わりそうな兆しは見えている*2
そんな中、ここで無駄に産業政策の矢を放つことは、経産官僚やターゲットとなった一部の産業の既得権益層の利益にはなっても、将来の国民には何らプラスの影響をもたらさないんじゃないか、という思いで冷ややかに眺めている者からすれば、これ以上の「改革」を競い合うような選挙はまっぴらごめん、なのである*3

ここ10年、20年来の“改革ブーム”のせいで、本来であれば、今の社会の安定を守ることを重視すべき「保守」政党が選挙の時になるとどこかに行ってしまう、という状況が続いてきた。そして、不況期ならまだしも、好況期にまで、世の中を適当にいじることが、あたかもよいことのように唱えられ、テーゼとして掲げられてきた。

だが、もうそろそろ、新しい看板の架け替えはやめにしてよい頃ではないかと思う*4。そして、そういう観点からすると、“リベラル派勢力”というレッテルを張られている立憲民主党(枝野新党)なんぞの方が、守るべき価値観とか社会のあり方が明確になっている、という点で、いわゆる「保守政党」(自称)よりもよっぽど、本来の意味の「保守」なんじゃないか、と思うわけで・・・*5

個人的には、政権をとっても、世の中を騒がせるような余計な動きをしない、そんな政党が国会で一定数を占めてくれることで、しばらく政治主導の「改革」*6が封じられる、というのが今の日本が一息つくための一番の処方箋だと思っているから、自分の投票行動も、必然的にそういう方向に向かうことになるのかな、と予感しているところであるが*7、いずれにしてもさっさと終わってほしい、そんな選挙戦である*8

*1:もっとも、そういうフラストレーションを抱くきっかけになることを、本当に「何もすることがない時間」が与えられた時にやるか、といえば、やらないのが常だったりする・・・(何だかんだ言って、本当にやりたいことは万難を排してやってしまうから、そういう何となくやりたいこと、って、実はどうでもよいことだったりするのかもしれない)。

*2:少子化の解消、という観点からではなく、高齢者層が想定よりも早く減少に転じる、という観点から。

*3:歴史的に見ても、国が旗を振って乗り出していってうまく行った産業、って、実はほとんど存在しないのだが、反省の機会がないまま歴史が繰り返されるのを見るのは何ともつらいものがある。

*4:その前に、今、目の前にある古くて新しい問題を一個一個片づけていく視点を持つ方が大事な時期に来ているんじゃないかと思う。

*5:ついでに言えば、政権に影響力を持つようになったところで、ドラスチックに何かを動かすだけの力は発揮しえないだろう、という安心感もある。世の中が思想的にも、産業政策的にもおかしな方向に向かうのを止める、それだけでも少数政党の存在価値がある、という時代になってしまったのは、いいことなのか悪いことなのか分からないが、いずれにしても、博打みたいな「改革」合戦、思想ごり押し合戦になっている時は、選ぶ側のバランス感覚がより重要になってくるような気がしている。

*6:誤解なきようにいえば、自然な市場競争の結果生じるイノベーションまで否定するつもりは全くない。自分が嫌悪しているのは、そういった自然なイノベーションに土足で干渉しようとする動き、である。それに尽きる。

*7:結構、投票所でのフィーリングに左右されることもあるので、ここは何ともいえないところではあるが・・・。

*8:実はまだ公示日も来てなかったりするのだけどね(笑)。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html