奇跡、というよりは必然。

衆院選の投票日に台風の接近が重なって、大荒れ模様だった日曜日。
前日から降り続いた雨は、芝生に水をたっぷりと含ませ、単なる「不良」馬場を超えて各馬の前に立ちふさがる。

1000万下条件の芝1800mの勝ちタイムが1分52秒1、準オープンの芝1200が1分12秒台の決着。
ダートコースのレースと見まがうようなこのタイムを見れば、いかに過酷な条件だったか、というのもよく分かるというものだ。

そして、そんな中行われた菊花賞だっただけに、自分はとにかく「重馬場適性」だけを気にして馬券を買った。

ルーラーシップ産駒で重・不良馬場では【1010】という戦績を残しているダンビュライト、そして、上がりがかかればかかるほど浮上しそうな英国血統・ベストアプローチなど、晴れた日だったら絶対に手を出さないようなところを中心に押さえて、どちらも神戸新聞杯組、傾向的にも狙ってよいはず、と自分に言い聞かせていたのであるが。。。

終わってみれば、同じ神戸新聞杯組でも、このレース出走馬中は最先着だった本命馬キセキが、実に堂々とした勝利。

最近はやりの3文字馬名だけど、キズナなどに比べると何となくベタすぎる印象があるし、字面を見ても、何となくGreeeeNの曲しか頭に浮かんでこなかったから、個人的にはあまり食指を伸ばしていなかったのだが、この雨の中唯一上がり3ハロン39秒台、後続を2馬身突き放したシーンを見てしまうと、恐れ入りました、と呟くしかなかった・・・。

おそらく、今年の菊花賞の馬場は、サトノダイヤモンドが苦しんだ凱旋門賞の重い馬場にも何となく似ていたはずで、期せずして今回、そういった道に羽ばたけるかどうか、のテストを行ったとも言える。そこで満額回答を示せたのだから、誰にとっても文句なし。

振り返れば、「3強」以外全部弱い、だった昨年よりも、今年の方が粒揃い、かつ外国では強い、というふうに言えるようになることを信じつつ、今は、この馬が、世界に羽ばたいてくれることを心から期待するのみである。

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