近づいた世界は幻だったのか?

昨年末、サトノクラウン、モーリスが2つのビッグレースを制したニュースを聞いた時は、日本競馬も再び・・・と思ったものだったが、今年は香港ヴァーズ香港カップともに「3着」(トーセンバジルとネオリアリズム)が最高着順、という結果に終わってしまった。

モーリスは既に引退してしまったし、今年の遠征馬は“一線級”というには少し格が落ちるメンバーだったから仕方ない面はある。
年間を通じてみれば、ドバイでのヴィブロスの大金星だったり、春の香港でのネオリアリズムの勝利だったり、と、それなりに見せ場もあったから、「一度のレースで一喜一憂するな、『世界が遠くなった』なんていうのは悲観主義にもほどがある」と怒られてしまいそうだ。

ただ、これまた一年前、世界に名を轟かす名牝になる予感を与えてくれたソウルスターリングオークス以外のビッグタイトルに縁なくシーズンを終えようとしていることや、凱旋門賞サトノダイヤモンドが全く通用しなかったこと、そして、国内で目立つ活躍をしているのが、真の意味での「世界」とは全く縁がなかったキタサンブラック・・・といったことが、何となく「世界との距離」を遠く感じさせているのも事実なわけで。

幸いにも、景気とともに、国内では“競馬ブーム”が再びよみがえる勢いだし、藤田騎手の活躍やDMMの一口馬主界参入など、一般人が興味を引きそうな話題もそれなりにあった。
おそらく、年末の有馬記念も、馬券の売り上げを一段と伸ばし、21世紀初頭の水準に再び迫ることになるのだろう。

だが、そんな時だからこそ、“世界への意識”を忘れてはいけないわけで、競馬にかかわる全ての関係者には、ジャパンC以外の国際G1レースで常に勝ち続けられる馬を育てる、という究極の夢を抱き続けていてほしいものだと思わずにはいられない。

そして、来年は、ドバイを皮切りに香港、英国、フランス、豪州、米国、そして年末再びの香港まで、全ての海外主要レースに日本馬が顔を出してくれることを、心から期待しているのである*1

*1:個人的には、香港で日本馬が枕を並べて討ち死にした日に、あのオルフェーヴルの初年度産駒、ラッキーライラックが無敗で2歳牝馬G1を制した、というニュースに運命を感じ、2歳戦絶好調のロードカナロア産駒とともに、「二世」が再び世界を席巻することに期待を寄せているところである。

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