毎年、この時期の恒例になっているJRA賞競走馬部門の受賞馬が発表された*1。
結果、予想通り、2年連続で、先日引退したばかりのキタサンブラックが年度代表馬に輝いたのだが・・・。
興味深かったのは、同時に公表された「記者投票集計結果」*2である。
290票中、実に287票。
昨年は年度代表馬になったといっても、モーリス(90票)、サトノダイヤモンド(66票)と三つ巴で134票しか取れなかったし、一昨年の年度代表馬・モーリスも2位・ラブリーデイが55票獲得した結果、215票にとどまっている。その前、絶対女王として君臨し、引退レースの有馬記念で圧倒的な強さを見せたジェンティルドンナでも231票だったことを考えると、今回の得票数がいかにずば抜けたものか、ということが分かるだろう。
ただ、ここで引っかかるのが、最優秀障害馬・オジュウチョウサンに投じられた「3」という票数である。
確かに、オジュウチョウサンは、満票で最優秀障害馬に輝いた昨年同様、今年も障害G1レースで圧倒的な強さを見せていたし、特に最後の中山大障害、大逃げを打ったアップトゥデイトと直線で一騎打ちとなり、最後の最後で(でも確実に)半馬身差しきった*3、というレースは、平地のレースと合わせても今年のベストレースといっても過言ではないのだが、だからといって、この「年度代表馬」というカテゴリーで一票を投じられるべき馬か、と言えば疑問も残るところで・・・。
おそらく、キタサンブラックの今年の神がかった戦績は認めつつも、春のグランプリ(宝塚)での大敗や、国内最高のグレードレースで日本馬2頭に先着を許したことが何となく許せない、という記者が一票を投じた(そして、そんな記者がたまたま3人いた)ということなのかもしれない。
そして、サトノクラウンとか、シュヴァルグランといった「4歳以上牡馬」のカテゴリーの馬に一票を投じるのはもっと気がひけるが*4、平地以外のカテゴリーの馬に一票を投じる分には構わない・・・ということなのか。
もっとも、不思議なところに1票、2票入れる記者というのは、常に存在しており、今年度でも最優秀障害馬の記者投票の中で、「該当馬なし」というところに1票入っているし、さらに遡れば、2年前に最優秀3歳牡馬をドゥラメンテが圧倒的な得票数でとったときに、なぜか「キタサンブラック」に票を入れた記者もいた*5。
なので、たかが「3票」を気にしてもしょうがない、というのが正しい理解なのだけど、やっぱりどうしてもいろいろ背景が気になってしまうのである・・・