思えば、今の5歳世代が、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、と役者を揃えて「最強世代」と呼ばれていたのは、たった2年前のこと。
それが古馬になって、国内ではキタサンブラック、海外ではシャンティーの壁に跳ね返され続け、昨年秋以降は「低レベル」と揶揄されていた現4歳世代に凌駕される始末。
かつての「3強」はもはや見る影もない*1し、路線を変えて健闘していたエアスピネルも、先週のマイラーズCで強い4歳世代の2頭の後塵を拝した。
憎きキタサンブラックが引退したのに、「後継」が同じ世代のシュヴァルグランで、5歳勢よりはクリンチャーとかサトノクロニクルといった4歳勢の方がおもしろい、と言われてしまうのは何とも気の毒なことで・・・。
なので、個人的には伝統の天皇賞で5歳世代、それもぽっと出のガンコとかじゃなくて、3強と正面から戦ってきたレインボーラインが、阪神大賞典という王道路線から連勝で制した、と聞いてホッとしたところはあった。
レインボーライン自身も去年の日経賞で不可解な敗戦を喫するなど、どうにもあてにし辛いところはあるのだが、NHKマイルCでも菊花賞でも、はたまた秋の天皇賞でも上位に入着できる、という融通性と、良馬場でも不良馬場でもこなせる器用さはもう少し見直されて良いところだったはずで、ようやく上の世代からタイトルを奪い取った、という意味でも価値のある一勝だったな、と心から思うところ*2。
これで矢作厩舎が送り込んだ刺客、4歳のチェスナットコートがもう少し上の順位に食い込んでくれていれば、(気持ちだけでも)楽しいGWを過ごせたのに、と思うとちょっと残念だけど、いいとこ取りはできないのが競馬。贅沢は言うまい。