4年に一度のフットボールの祭典がロシアで開幕した。
自分は元々「三度の飯よりフットボールが好き」というタイプの人間だから、四半世紀以上前からW杯となれば、開幕が待ち遠しくて仕方なかったし、ここ最近の大会では、どんなに仕事が張っていようが*1、試合のスケジュールを業務用の手帳にまで書き込んで、仕事をやりくりしたものだった。本ブログの長年の読者であれば、4年に一度、狂ったように更新が続く光景を見てあきれていた方も多いことだろう。
それが、今回は、音もなく・・・といった雰囲気で、気が付けばオープニングマッチの日を迎えていた。
ここ数か月、他の例に漏れず、あまりに慌ただしすぎて、地上波テレビの“予告編”に目を向けることも、スポーツ雑誌に目を通すこともほとんどできなかった(正確に言うと、数週間前に出た雑誌がまだ未開封で手元にはある、という状況)、という現実があるのは確か。そして、それ以上に、例の“ハリルホジッチ解任事件”以来、日本代表の“好気配”を伝える大本営メディアを意識的に忌避して過ごしてきた、ということも、W杯の“気配”を消すことにつながったのかもしれない。
いずれにしても、木曜日の夜に家に帰って、「ロシア対サウジアラビア」の試合のチャンネルに合わせるまで、W杯に向けた熱はすっかり冷めていた。
日本代表の大会前の親善試合だけはさすがに気になっていたから、連敗が続いた後の最後のパラグアイ戦だけは(途中からだけど)ちゃんと見て、(相手が本戦に出ていないパラグアイであることを差し引いても)だいぶ良くなってきたかな、と思ったところはある。
特に山口蛍選手と柴崎選手を中盤の底に配して、乾選手、香川選手と絡ませる(そして、これまでの日本のお家芸の「外側」を使う展開だけでなく、時にテクニックとリズムで縦の中央突破を図る)という布陣は、もう少し磨き上げれば大きな武器になるような気配すらあった。
ただ、やっぱり、本来であれば、日本の最大の弱点である「縦に向けた強さ」を最後まで磨き上げる作業を行うのは、ハリルホジッチ監督自身であってほしかったし、監督交代後の選手選考で共存しないはずの本田、香川両選手を同時に掬い上げた(その代わりに予選でも活躍していた有望な若手選手が選に漏れた)ということが、今大会の日本の立ち位置を非常に分かりにくいものにしている。
そして、盛り上がらない世論を加熱させようとする大本営メディアの使い古された見出しを見れば見るほど、今のままでは、2010年大会でベスト16入りに貢献した選手たちに悔いなく「最後の花道」を飾らせる、という以上の意義を日本サポーターが見出せないまま終わってしまうのではないか、という懸念をぬぐうことはできない。
最大限の楽観的な観測を述べるなら、非常事態を受けて監督交代(時期はだいぶ違うが・・・)、そして、大会前の試合で負け続けた後に調子を取り戻しつつある、といったあたりが8年前の雰囲気に似ている、と言うことになるのだろうが、そのためには、本番の舞台でもう一段モデルチェンジした姿を見せる必要があるし、その決断が西野朗、という監督にできるのか、と言うことを考えた時に、楽観できる要素は何一つない、という結論に行きついてしまうことは避けられないのである。
それでも、自分の周囲を含めて盛り上がりを欠いている状況では、「出るからには応援しないと」という思いも出てきてしまうわけで、最初の大一番、コロンビア戦の舞台で、先発の11人に以下のような選手たちが名を連ねるのであれば、少なくとも90分の間は熱烈な声援を送る準備はできているのだけど・・・
なお、自分の“サッカー熱”自体は、怒涛のゴールラッシュで湧き立つロシアの選手たちとサポーターの歓喜を見て、俄然盛り上がってきたので、日本の勝ち負けにかかわらず、面白い試合を楽しんで見られたら良いな、と、今はそれだけである。
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