今年も新司法試験の結果が出た。
去年の傾向から十分想像はできたことだけど、時代のスピードはより増している、そんな感じの結果。
出願者数 5,811名(前年比 905名減)
受験者数 5,238名(前年比 729名減)
合格者数 1,525名(前年比 18名減)
依然として下降曲線を辿る出願者数、受験者数を横目に、合格者数は今年も“微減”。
「1,500名」という数字の亡霊がまだ元気に振る舞っているおかげで、合格率は29.11%。遂に3割に届きそうな勢いである。
合格者数の減少率に受験者数の減少率が追い付いていなかった一昔前の旧試験を振り返ってああだこうだいうつもりはないのだけれど、予備試験経由の合格者もとうとう「336名」と、300名の大台を突破したのを見ると、いよいよ新旧両ルートから相乱れて合格者が輩出されていた12年前(第1回の新司法試験実施の年)に近づいてきたな、と思わずにはいられない*1。
あの頃と今で決定的に異なるのは、受験者が今や当時の16%くらいしかいなくなってしまった、ということ*2。
予備試験受験者まで対象を広げても昨年の実績でせいぜい10,000人ちょっと上乗せできるだけ(10,743名)*3で、“蒸発”してしまった受験者を取り返すには到底至っていない状況の中で、「原点」に限りなく近づきつつある今、長い歴史を持つ法曹選抜制度を守るために何ができるのか。
答えは自明だろう。
一度始めたらなかなか止められない、それが日本という国の人々の“持ち味”だということは重々承知しているのだけれど、これ以上の裾野の縮小と、現場のこれ以上の疲弊を招かないためにも、「新」司法試験のシステムはいよいよ抜本的に改革されるべき時に来ている、と思うのである。