「外高日低」を象徴するようなレース。

阪神開催になったのはもう4年前のことなのに、未だに「朝日杯」と聞くと、反射的に「中山」のメインレースだと勘違いしてしまうのはオールドファンの悲しい性。

そして、このレースに出ているのは全て牡馬である、という観念まで染みついているから*1、1番人気になっていたグランアレグリア牝馬だった、ということに気付いたのも当日の朝だった。

個人的には、なんだかんだ言って、本当に強い牝馬は、全く同じ条件ならここで無理して朝日杯を使うことなんて考えないだろう、と思っているし、2年前の早熟馬・ミスエルテの例もあるから、ルメール騎乗のグランアレグリアに関しては良くて入着が限界だろう、と考えていた。

そしてそうなると、デビューから3連勝、最近では勝ち馬こそ出していないものの、デイリー杯2歳S組(2番人気だったアドマイヤマーズがこれに該当)よりは、過去10年の勝率も連対率も高い京王杯2歳S組のファンタジスト、そして鞍上の武豊騎手が、いよいよこのレースで初のタイトル奪取&日本人騎手連敗記録を止める、という帰結になって然るべきだった。

それが・・・である。

先行していたグランアレグリアが直線で今一つ伸びを欠いたのは、まさに予想どおりだったのだが、好位追走で直線でもいい感じで追いかけてきていたファンタジストが外にコースをとったものの思いのほかジリっぽく伸びず・・・。
そして気が付けば、グランアレグリアをあっさり交わして先頭でゴールにたどり着いたのは、勝てないローテだったはずのアドマイヤマーズ&M・デムーロ騎手だった。

これで外国人騎手のG1連勝は10週連続。そして、武豊騎手はまたしても残ったパーツを埋められずじまい。

気が付けばあっという間に中央競馬もクライマックスに突入し、来週はもう有馬記念、というところまで来てしまっていることに衝撃を隠せずにいるところではあるが、それ以上に来週もまた、レイデオロやらモズカッチャンやら、といった、かましてくれそうな馬に外国人騎手が乗り、武豊騎手が“ネタ”出場のオジュウチョウサンの鞍上に甘んじていることが何とも残念でならない。

このまま外国人騎手の連勝が続いたうえで、最後の最後のホープフルSで、来年に向けた希望とともに、日本人騎手がG1タイトルを取り返すことができるのであれば、それにこしたことはない、と思っていたりもするのだけれど、気分的には来週が今年の最後だけに、ほんの一週間の間だけでも、夢を見ていたいと思っている。

*1:確かに2003年までは牝馬は出走できないレースだった、という歴史もあるのだが・・・。

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