日本語的には、株価は「下がる」ものなのかもしれないが、今日に関しては「落ちる」という表現しか出てこない・・・そんな日だった。
日経平均で見れば1,010円45銭安。下落率でいうと-5.01%。
自分は元々資産の4割をこの手のリスク資産で運用している人間だから、これだけ派手に落ちれば、当然無傷で済むはずもない。
単に下がり幅、ということだけでいえば、今年の2月には1,071円84銭安、というもっとどデカい下落幅の日はあった*1。
ただ、今は、平均株価が既に当時より2,500円くらい低い上に、市場のベースにある環境も相当悪化していて、その分、かなり深刻な状況にあるんじゃないか、というのが自分の見立て。
日本国内だけ見ても、来年、消費税増税を控えている、というのに、あらゆる“成長促進”策は不発に終わり、人件費コストだけがアホみたいに上昇していてまさに貧乏暇なし、になりかけている。
周囲のアジア諸国も、“出る杭”中国が頭を思い切りたたかれたことで、様々なサイクルが逆回転し始めている。そうなると、これまで日本の消費を下支えしてきたインバウンド需要にも、もはやこれまでのような勢いは期待できない。
海を渡れば、欧州では、英国がEU脱退を目前に崖っぷちに追い込まれ、代わってEUを支えるはずのフランス、ドイツも、国内の内紛に足を引っ張られて指導力を発揮するには程遠い。
中東は、サウジがトルコの領事館でやらかした余波がまだ残っている上に、原油価格暴落の追い打ちもあって、マネー供給源としてはいささか便りない状況だし、何と言っても世界の盟主・米国が、傍若無人な大統領とその取り巻きのおかげで、権威も国力も完全に失墜してしまっている状態だ、というのが痛恨事。
10年前のリーマンショック、20年前のアジア通貨危機、と繰り返されてきた歴史から、今年は何かある、と“予言”していた識者はそれなりにいたのだが、今年も残すところあと数日になったこのタイミングでとうとう来たか・・・というのが、今の率直な感想に他ならない*2。
もちろん、もしかしたら、明日朝起きたら潮目が再び逆回転しているかもしれないし、来年の今ごろ(いや、もしかしたら来月の今ごろ・・・)には「あの時が買い場だった」という後悔に駆られる展開になるのかもしれないけれど、今日の強気が明日の失望に変わるのが辛い、そんな気分だけに、柄にもなく、あと数日、大納会の日までは大人しくしていようかな、と思ってしまうのである。
*1:ちょうど、前日に600円近く下げて、それでも楽観的なエントリー(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20180205/1517846671)を書いた翌日のことだったので、後追いの記事を書く余裕もないほど、その瞬間はへこんでいた・・・。
*2:これまでの「危機」が、金融・財政政策や経済政策の失敗で招来されたものであるのに対し、今回は純粋な意味での「政治」的な政策の失敗が市場にインパクトを与えている、という点で、特徴的な事象だと思う。問題は、これが一時的なものではなく、今後何年も恒常的に続くような気がするところにある。