暦のめぐりあわせゆえ、「月曜日」から始まった今年の新年度。
異動発令やら何やらで、この日が区切りの日となった人も多かったことだろう。
特に自分がうらやましいと思うのは、「入社式」をこの日に迎えた人たち、である。
これまで、自分のそういう節目の時は、いつも決まって「1日」が週の真ん中に来ていて、その結果どうなるかといえば、それまで普通に流れてきた日常が、ある日を境にガラッと切り替わる、という感覚を味わうことになる。
学生の時は、卒業式こそちょっと早めに終わっていたものの、前日の夜まで大学には顔を出していて、終わった後にそれまで通り気の知れた仲間と遅くまで飲んだ後に、翌日入社式会場に直行。
その次のタイミング(司法研修所の入所式)でも、31日深夜まで残った仕事&片付けを散々やった後に、翌日朝から180°異なる環境に放り込まれた。
自分は元々、環境の変化にはそんなに強くない人間だし、そんな人間が、週のど真ん中で平穏に過ごしてきた日常から急に切り離されて、まったく違うところにいけば、そりゃあ戸惑う。
なので、そういう節目の記憶って、大概が、フレッシュな環境でウキウキしている周囲を横目に見ながら、本能的に環境変化への拒絶反応を起こしている自分の平静を保つために、必死にもがいていた苦しい記憶として刻まれている。
だから、当時は、せめて土日で一息ついて、気持ちを軽く切り替えてから新しい環境に迎える暦になっていればな、と、カレンダーを心から呪ったものだった。
翻って今年。
いくら曜日の並びに恵まれているからといって、同じように節目や門出を迎えた人たちが、皆、気持ちを切り替えて、フレッシュな気持ちで臨めているわけではない、ということは容易に想像がつくところ。
ただ、最初のスタート、一歩目が、戸惑いと憂鬱な感覚から始まったとしても、時間を重ねるごとにその感覚が変わっていき、どこかのタイミングで最初の一歩目の日のことを「あの時は」と懐かしく思えるときがくることを自分はこれまでの経験から何度となく学んだし、二歩目以降の実績の積み重ねで、一歩目がどうかなんて関係ない、ということも証明してきたつもりなので、土日を挟んだのにまだ気持ちが切り替えられずにもがいている、という人がいたら、このエントリーを読んで、少しでも心の慰めにしていただければ、と思っている。
そして、最悪のスタートから20年以上が過ぎ、カレンダーのめぐりあわせを恨んでいた当時の青年が、ようやくちょっとだけ、暦の恩恵を受けることができた、ということも、この場を借りて、ひっそりとご報告させていただくことにしたい。