心配な「兆候」

先日の臨時株主総会は無難に乗り切ったものの*1、ここにきてまた心配な雰囲気が出てきている日産自動車

4月19日には、突然「日産、世界生産15%減 19年度計画 9年ぶり低水準」という記事が配信されたし、

www.nikkei.com

今朝の日経朝刊でも、「ルノー、統合を再提案 日産拒否、対等主張へ 連携強化遅れ懸念」という見出しが躍った。

19日の記事に対しては、同日中に会社側が報道を全面否定する声明を発表しており、報道されている内容がどこまで真実なのか、ということは、現時点ではなかなか分からない。

www.bloomberg.co.jp


ただ、ここで自分が気になっているのは、報道された内容が真実かどうか、ということより、こういった相当なインパクトのある情報が「取引先」だとか、「関係者」といったところからの話として、記事になってしまっていること。

この種の「リーク記事」が、会社、あるいは経営トップの周辺から意図的に出される、という場合ももちろんあるのだけれど、これらの記事やそれに対する会社側のリアクションを見ていると、今回の一連の報道はそういうたぐいのものではないんじゃないか、という雰囲気も漂っているだけに・・・。


仕事柄、自分がかかわっている案件、特に経営トップにダイレクトでつながっているような案件の情報管理には人一倍気を遣っていたし、「部内の直属の上司にすら知らせてはならない」という指示を受けたような話のときは、隣で仕事をしている人間に「何かが動いている」ことすら悟らせないようにするために、細心の注意を払ったものだ。

自分の会社自体、今も昔も、決して「一枚岩」と単純に言えるような組織ではないし、部門を超えてミッションを遂行する以上、当然、それぞれのバックグラウンドを反映した対立関係が生じることも日常茶飯事ではあった。それでも、目の前で進めようとしていることに、それぞれが前向きに何かを見出していて、日々神経を研ぎ澄ませていれば、よほどのことがない限り情報が外に出ることはない*2

それなのに、今、まさに「再生」に向けて「一枚岩」にならないといけないはずの組織で、重要な情報がポロポロこぼれ出している、というのは、決して良い兆候ではない、ということは、自分自身の備忘も兼ねて、残しておかないといけないよな、と思うのである。

*1:日産自動車臨時株主総会に出席して~「カルロス・ゴーン時代」の終焉とその先にあるもの。 - 企業法務戦士の雑感のエントリー参照。様々な媒体で取り上げていただき、感謝しております。

*2:結局、自分がかかわった「秘密」案件で、情報が事前にリークされてメディアを賑わせるようなことは一度もなかった。当たり前のこととはいえ、チームを引き締める役割を担っていた者としてそれは最大の誇りでもある。

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