「プロパテント」を唱え続けた先生の訃報に接して

いつもだったら、何の気なしに見逃しても不思議ではなかった今朝の日経紙の訃報欄。
でも、たまたま目にした時に限って・・・という感じである。

「相沢英孝氏(あいざわ・ひでたか=一橋大名誉教授)5月10日、多臓器不全のため死去、65歳。告別式は5月18日午前9時30分から東京都渋谷区西原2の42の1の代々幡斎場。喪主は妻、美佳さん。  専門は知的財産法。著書に「バイオテクノロジー特許法」など。」(日本経済新聞2019年5月14日付朝刊・第33面)

このブログの中で、「相澤英孝」というキーワードで検索すると、実に多くの記事が出てくる。
相澤英孝 の検索結果 - 企業法務戦士の雑感

法律雑誌はもちろんのこと、一般の新聞からテレビの情報番組に至るまで、相澤先生の情報発信力は抜群だった。
そして、2017年の年末に日経紙の「経済教室」に掲載された記事に象徴されるように*1、そこで主張されている論調も、「プロパテント」方向の言説という点で、常に一貫していたように思う。

自分は、理屈とか政策以前に、開発現場のど真ん中で「生身の知財」の実務をやる、というところがスタートだった人間だけに、「プロパテント」的な論調を素直に支持することは決してできないし、それゆえ、相澤先生の書かれた論稿等の当ブログでのこれまでの取り上げ方も、決してポジティブなものではなかったと思う。

ただ、既に多くの人々が「知財立国」とか「知財戦略」といった使い古されたキャッチコピーに懐疑的な目を向けるようになっている今、相澤先生のような、ぶれない“対抗言論”は、議論を深める上ではとても大事だったと思っていて、それだけに、今回の報に接し、筆者自身、非常に大きな衝撃を受けていること、そして、心よりご冥福をお祈りいたしている旨は、ここに書き残しておきたい、と思っているところである。