浮気はしちゃダメ、と痛感した一戦。

しばらく続いていたG1連戦は今週で一区切り。
今開催からは2歳新馬戦も始まって、いよいよ新しいシーズンのスタート、といった感があるのだが、自分は、「競馬を見始めた時にはまだ最下級条件が『400万下』だった」世代である。
その後の歴史をたどっても、「1000万」「1600万」という数字より、「900万」「1500万」という数字の方に馴染みがあるゆえに、「1勝クラス」「2勝クラス」という分かりやすすぎるクラス分けがどうにもしっくりこなくって*1、勝率的には散々な開幕週となってしまった。

そんな中、せめてメインのG1、安田記念だけは・・・と思って気合を入れてはみたものの、人気落ちで「ここが狙い目!」と勝負をかけたサングレーザーは、直線最内を突いて、あとちょっと!の雰囲気は醸し出したものの*2、前残りの展開に泣いて5着まで。

そんなこともあろうかと、本命が飛んだ時の〝押さえ”にしたはずだった軸馬・ダノンプレミアムも、スタート直後、名手・武豊騎手をしても御せなかったロジクライの斜行で思いっきり不利を受けて最下位に沈む大惨敗・・・。

同じく不利を受けたアーモンドアイが、ラストの豪脚空しく「3着」という微妙な着順にとどまったことを考えると*3、どうしようもなく負けた分、まだあきらめがつく、と言えばつくのだけれど、やっぱり「強い馬が順当に勝てなかった」というレースは、見終わった後の気分がよくない。

そして、何よりも、今日、一番後味が悪かったのは、逃げたアエロリットが、しっかり残って連に絡んでしまったこと。
つい数週間前、↓のようなエントリーで讃えた馬を、買わなかった結果がこれだ・・・。

k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

もちろん、彼女を選択肢から外したのには理由があって、「休み明けは必ず好走するが、2走目になるとガクッと成績が落ちる」というデータとか、鞍上が前走の横山典弘騎手から戸崎圭太騎手に乗り替わったこと*4とか、ヴィクトリアマイル以上にペースが速くなって差し馬天国になる、という展開予測とか、考えれば考えるほど「今回は選択肢に入れなくていいか」と思えていたのは確か。

だが、現実にはダノンプレミアムの致命的な出遅れもあって、今回もそんなに激しく突かれることもなく余裕の単騎逃げ。
そして、前走と比べると、最初の200mこそ速かったものの、400~800mくらいのラップで少し緩め、直線に入ってからは再び二の脚で突き放す、という実に理想的な展開だったから、テレビを見ながら声援を送りつつも、心境は実に複雑だった。

アエロリットが「現実路線」に切り替えたことが、驚異的なレースレコードながら、ヴィクトリアマイルのノームコアのコースレコードには及ばず、それゆえに微妙に盛り上がらない、という、勝ち馬・インディチャンプにとっては気の毒な結果につながってしまったのだが、アエロリット自身は、今回も、最後に失速した前走と全く同じタイム(1分30秒9)で走っているわけで、「インディチャンプ以外の馬(特に追い込み勢)に本来の力を出させなかった」という点で実に素晴らしいレースぶりだったな、と。

そして、「一度でも感動を与えてくれた馬」は、そう簡単に選択肢から外さずにじっくり追いかけていかないといけないな、という過去何度も味わってきた教訓を、彼女は再び思い出させてくれた。

だから、もしかしたら次のレースではこっぴどく裏切られることになるかもしれないけど、それでも今日の悔しさに比べれば・・・という思いで今はいるのである。

*1:「1600万下」の違和感がいつのまにか消えたのと同じで、所詮は慣れの問題だとは思うのだけれど・・・。

*2:何といっても上がり3ハロンのタイムが32秒9だから、普通ならきっちり差して馬券圏内に入っても不思議ではなかった。

*3:先週のダービーでの角居調教師に続いて今週はシルクレーシングが「人気薄の方が勝ってしまって微妙な空気」を演出することになってしまった。もしかしたら、もうしばらくこの流れが続く可能性もあるので、宝塚記念まで忘れずに覚えておくことにしたい。

*4:嫌いな騎手ではないのだが、G1で彼が乗ると、どうにも来ない気がして反射的に選択肢から落としたくなる。

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