目指すべき場所は、そこではない。

ここ数年の傾向からして、過度な期待を寄せてはいけない、ということは自分に言い聞かせてきたつもりだったのだが、やはり突き付けられた結果はショックだ。

2019年の凱旋門賞。日本から参戦の「三銃士」が見事に枕を並べて討ち死に・・・。

今週末は、藤田菜七子騎手が、「土日で5勝固め打ち」というさらに殻を破る活躍を見せてくれたし、毎日王冠ではアエロリット姉さんが追走してきた馬を二の脚で振り落とす、といういつもの元気な姿を見せてくれる*1等、いろいろとご機嫌な話題も多かっただけに、日曜日の終わりの光景は何とも残念だった。

直前に降った雨のせいで馬場がかなり水を含んでいた、とか、ペースメイキングできる馬がいなかった、とか、毎年言われているような理屈を挙げるのは簡単。

ただ、今回参戦したメンバーは、「札幌記念」という洋芝の舞台*2で「予選」をクリアしてきた2頭(ブラストワンピース、フィエールマン)と、超不良馬場の菊花賞を制した道悪巧者で先行力もあるキセキ、という組み合わせで、これまでの参戦メンバーと比較しても相対的に適性が高いメンバーを並べた*3、という印象を抱いていたし、少なくとも「馬場」は理由にはなり得ない。

そして、こういう結果になってしまうと、そもそも勝負をかけるレースが、この時期の、この舞台のレースで本当に良いのか・・・と思わずにはいられないのである。


エルコンドルパサーのあと一歩の2着に始まり、ディープインパクトの幻の3着、そしてオルフェーヴルの2度の2着、と、世代を超越した馬たちはそれなりの結果を出しているだけに(そしてその間にはナカヤマフェスタのサプライズ2着、というのもあった)、日本の競馬関係者が「あと一歩」を追いかけたくなる気持ちは分かるのだけど、この舞台でなければ、今日敗れた3頭のうち1頭、2頭くらいはこの日のレースを制したヴァルトガイストに勝つことはできるだろうし、アスコットが舞台なら、日本から送り込まれた刺客がエネイブルに土を付けることだってできたかもしれない。

リアルな資産がかかった勝負では、早々に日本馬に見切りを付け、一方でエネイブルの3連覇もないと読んで「ジャパン」一択で勝負をかけた末のこの結果だから二重にショックは大きいのだけど*4、来年、同じレースが買えなくなって負けを取り返せなくても別に悔しくなんてないから(苦笑)、日本が誇るサラブレッドたちにはよりふさわしい舞台を与えてあげてほしいな、と今は心の底から願っている。

*1:勝負自体は外から一気に差してきたダービー2着馬・ダノンキングリーに敗れて2着、という形になったが、5歳秋になってもまだまだいける!と思わせてくれた一戦だったと個人的には思っている。

*2:ロンシャンとも馬場状態が近い、と言われている。

*3:切れ味勝負のフィエールマンに関してはちょっと難しいところもあるかな、と思ったのだが、他の2頭に関しては血統的にも戦績的にも勝てる要素は十分備えていたように思われた。

*4:結果4着。凱旋門賞って、意外とこのタイプの現地の赤丸急上昇3歳馬も結果を残せない傾向があるような気がする。そして、どうせ外れるならチェコの星、ナガノゴールド(8着)を買えばよかった、と後悔しても後の祭り。

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