「社歌コンテスト」を横目で見ながら思うこと。

日経新聞の本紙では特に話題として取り上げられてはいなかったと思うのだが、

「NIKKEI全国社歌コンテスト」

なるイベントが今日8日から、ひっそりと始まっている*1

審査員の欄には懐かしい川嶋あいさんのお名前もあるし、最優秀賞に輝くとJOY SOUNDでカラオケ配信までされてしまう、ということで、様々な有名企業もエントリーしているのだが・・・。

元々、「社歌コン」と言えば、頑張って世の中を支えている中小企業に光を与えるイベントだったはずで、それこそ「日本ブレイク工業*2みたいなノリでユニークさを追求するものだったり、あるいは、全社員が出てくるようなほのぼのとしたものだったり、というのが、本来の姿だと思っていた。

それなのに、今回は天下の日経新聞がメインスポンサー。

そして、このコンテストのために金に物言わせて勘違いPV作ったんじゃないか?というような大企業も散見されたりして、少々微妙なイベントになってしまっている。

会社が大きいかどうかにかかわらず、

・(コンテストのためではない)日頃から社内向けに使っている映像・音楽素材を出してきた会社
    or
・単なるイメージ映像、プロモ映像ではなく、ちゃんと社員が参加して作った作品を出してきた会社

であれば、一応本来の趣旨は満たしていると思うし、「作詞・作曲から映像の作成まで全部社員がやりました!」というのであれば完璧なのだろうけど、あまりにエントリーしている会社数が多すぎて、それらの条件を満たした作品が埋もれてしまっているように思えるのはちょっと残念だった。


まぁ、個人的には、大中小様々な企業に混じって”会社”的な雰囲気をアピールすることで知られる某大手法律事務所が今回エントリーしている、という事実に接して、「とうとうここまで来てしまったか・・・!」という思いはある(笑)。
(リンク先は、https://youtu.be/eNmOgxX9Wrsである。)

「社歌」というものに対する思いは、人それぞれだと思うけど、ああいうものを集中的に聞かされるのって、大体、何かと自由が制約されてあまり良い思い出がない新人時代の長~い研修期間の間だったり、眠い目をこすりながら強制的に出ていた朝礼の時間だったりするから、流れてきたイントロを聞いて100%喜びの感情が生じる、という企業人はそんなにいないと思うところ*3

で、そんなものをわざわざ自由な士業の世界に持ち込む、っていうのが不思議だなぁ・・・というのが率直な感想である。

あと、曲自体ポップで歌いやすくて、映像に出てくる社員の人たちも”恋ダンス”バリに楽しそうに踊っているような映像なら、変な不快感を抱くこともないし、関係者でなくてもカラオケに入れたら?と素朴に思えるのだけど*4、曲が古い歌謡調、合唱曲調だったり、さらに進んで軍歌調だったりすると、それだけで嫌な気分になってしまう。

”今どき流行んねーよ”って突っ込みを受けるような懐古趣味にフォーカスすることで、古き良き昭和を思い出させる、というのが企画のコンセプトならそれでも良いのだけど、時代は既に「令和」だからね・・・ということで、できれば新しい時代にふさわしい「社歌」が最優秀賞の栄誉に輝くことをひそかに願っているのである。

*1:https://shaka.nikkei.co.jp/

*2:懐かしいhttps://www.youtube.com/watch?v=6b9rSOfu5iwの映像参照。

*3:かといって、全くそれに愛着がないかと言えばそうでもなく、いわば「愛憎相半ば」な感情を抱く人が一番多い気がする。

*4:例えば、最初の方に出てくるカゴメの動画などは非常に良い(https://youtu.be/PF4pC46udWw)し、曲調は異なるがデンソーの映像(https://youtu.be/HwFWi83PamM)なども、なんかいいなぁと思う。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html