果たして「本番」はめぐって来るのだろうか?

淡々と無観客で続いている中央競馬は、3連休の3日連続開催の日程も無事消化することができた。

個人(の馬券)的には、今の開催に突入してから高い回収率をキープしていた阪神競馬場との相性が今週はさっぱりで、日曜日のメイン・阪神大賞典でも、狙っていたボスジラに全く良いところがなく、「金子丼」で美味しい思いをしようという企み*1も水泡に帰すことになってしまった*2し、一方、東に目を移しても、クラシックトライアルのレースでも、フラワーカップはクリスティが来ない、スプリングステークスは必勝を期したはずのヴェルトライゼンデが伏兵に足元をすくわれる・・・と、今一つの出来。

とはいえ、負傷療養していた藤田菜七子騎手は無事予定どおり復帰してくれたし、一足先にドバイに飛んでしまったルメール騎手を横目にここぞとばかりに勝ち鞍を量産*3した川田騎手の活躍など、明るいニュースもあった。

これでクラシックの主要なトライアルレースはすべて終了し(一応、毎日杯が来週まだ残ってはいるが)、来週のスプリンターズSから本格的なGⅠシーズン幕開け、ということで、いつもの年なら「さぁ春競馬!」と高揚した気分になるところなのだが・・・


コロナウイルス感染拡大」という世界的一大事が落とす影は、ここに来てさらに大きくなっている。

今日発表されたのは、来週ドバイに遠征する予定だった福永祐一騎手の騎乗キャンセル。

元々、乗る予定の馬が少なかったからだろう、という突っ込みもあるだろうし、高松宮記念でのタワーオブロンドンへの騎乗と天秤にかけただけ、という辛辣な突っ込みもあるだろうが、今はあのモレイラ騎手ですらドバイ遠征をキャンセルしている状況で、1日、2日で状況が激変する今、「海外に渡航する」ということ自体が重大なリスクをはらむのも事実だけに、広い心で受け止めてあげないと気の毒じゃないかと思う。

また、香港国際競走への出走をにらんでいたサートゥルナーリアが、状況に鑑みて宝塚記念に路線変更、という話もあり、来週のドバイのレースが無事行われたとしても、その次の日本馬の「海外遠征」がいつになるのか、全く見通しが立たないというのは結構寂しいところではある。

一方、海外から来る人(来ている人)に目を移すなら、今週は、NRA南関東を拠点にフィーバーを巻き起こしていたミシェル騎手が、来週の短期免許期間終了後、「騎乗できる場所がない」というニュースも飛び込んできた。

本来戻るべきフランスで当面の間レースが行われない、という状況なのだから、特例で短期免許を延長するなり、あるいはこれまた特例でJRA短期免許を付与したらどうか*4、といったことも言いたくなるのだが、果たしてどうなるか。

欧州での感染急拡大は、フランスだけでなく、イギリスでも競馬の開催そのものを中止に追い込むほどの猛威を振るった。

そして、そういう状況に鑑みると、たとえ「無観客」でも、毎週末淡々とレースを開催してくれている日本の状況には本当に感謝しなければならないと思うのだが、ここ数日の国内での感染拡大傾向から推測すると、それもいつまで続くか分からない、というのが正直なところ。

ペーパーオーナーから一口馬主、そして会社経営者のオーナーに至るまで、昨年から1年越しで想像を巡らせてきたクラシックレースに万が一のことがあれば、これはもう失望のため息しか出てこないだろうと思うのだが、いつ何時、そんなことになっても不思議ではない状況が今の日本だったりもする。

できることなら、JRAには最後の最後まで、「馬だけは走らせる」というポリシーで頑張ってほしいと思うのだけれど、その願いが叶うかどうか。

今は祈るような気持ちで眺めている。

<追記>

この記事をアップした直後に、以下の記事に接した。

競馬の祭典ドバイワールドカップデー(28日、メイダン)が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。ドバイ政府メディア局が22日、公式ツイッターで正式発表。現地大手メディアのガルフニュース電子版も中止を伝えた。」
headlines.yahoo.co.jp

ただただ残念というほかない悪夢。

だけど、これは夢ではなく、まさに今起きている現実なのである・・・。

*1:キセキがそろそろ限界かな、と思って外したところまでは冴えた予想だったのだが・・・。

*2:それでも2頭出しのもう一頭、ユーキャンスマイルでちゃんとタイトルを持っていくところはさすが金子オーナー、といったところではあったのだが。

*3:日曜日こそ勝ち星に恵まれなかったものの、金曜、土曜の両日で6勝。勝率33.5%で既に56勝、というのは驚異的なペースである。

*4:無観客開催中とはいえ、馬券の売り上げは確実に伸びることが見込まれるだけに、これまでの実績云々といったところは抜きにして、認めてもいい場面じゃないのかな?というのが自分の率直な思いである。

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