走った、勝った、強すぎた。

タイトルからしてあまりにもベタで、仕事の前の日曜日の夜にやっつけで書いてるだろう、という突っ込みを受けそうだが(そしてそれも否定するものではないが)、正直、ヴィクトリアマイルのレース映像を眺め終わった後、この標題の3つ以外に思い浮かぶフレーズもなかった、というのが正直なところである。

人気になるのは分かっていたし(単勝は断トツ1番人気の1.4倍)、これまでの実績からして頭一つ抜けている(目下GⅠ6勝、2018年の年度代表馬)ことも分かっていた。

だが、ドバイまでわざわざ遠征したにもかかわらず、新型コロナウイルスの影響でとんぼ返り、というアクシデンタルな臨戦過程だったり、昨年の安田記念のまさかの3着だったり*1、そして、この日一日、全く良いところのなかった鞍上ルメール騎手の出来だったり*2、と、そうでなくても人気馬嫌いの自分には、この断然人気に乗っかりたくない材料が多々あった。

そして、前年ワン・ツーを飾った5歳馬2頭のオッズ(レーン騎手が騎乗するプリモシーンが2番人気ながら7.5倍、前年優勝のノームコアに至ってはマイル戦で無敗、という実績があるにもかかわらず何と5番人気)や、今年絶好調のサウンドキアラの低人気ぶりを見たら、そちらの方に手を伸ばす理由も無数に存在。

だから、ゲートが開く前までは、組み合わせた馬券のオッズを眺めていろいろな妄想を膨らませて夢を見ることも可能だったわけだが・・・。


好位追走、直線で鞍上が激しいアクションをするでもない間にスルスルと前に出て、そのまま淡々と流すような走りで後続に4馬身差。

短距離の部類に入る1600mで、それもGⅠで、「4馬身」である。

しかもタイムは、前年のノームコアの驚異的なレコードに0.1差と迫る1分30秒6*3

昨年の勝ちタイムは、アエロリットの世紀の暴走で作り出されたハイペースが生み出したもので、上位5頭が1分30秒台、というところにもそれが如実に表れていたのが、今年のトロワゼトワルの逃げは”ミドルペース” で、ノームコアこそ辛うじて3着に食い込めたものの、ダノンファンタジー、プリモシーン、シゲルピンクダイヤといった、末脚自慢の猛者たちが脚を余す結果になってしまったような展開の中生まれたものだから、結論としては「一頭だけ次元が違った」というほかない。

これで国内のGⅠは6勝目、そして海外とタイトルと合計したGⅠ勝利数は、日本競馬の歴代最多に並ぶ7つ目となる。

まだまだ季節は春。この後、宝塚記念、そして秋のGⅠシリーズが待ち構えている中で遅かれ早かれ記録を更新する可能性は高いわけだが、レースそのものの、勝ちっぷりのインパクト、という点では今日の一戦を上回るまでのものはなかなか出てこないような気がするし、それだけに、今日、その瞬間を目撃できたことには深く感謝したい。

そして、これだけの馬に逆らうことの無謀さを改めて教えてもらえた、という意味でも、好日だったな、と*4

*1:マイルが向いていない、という見方もあるし、「ドバイからの直行」というローテーションがきついのでは?という見方もあったところだった。

*2:ここまで5レース、全て3番人気以内に支持されていながら一度も馬券に絡めず。特にキャロット勢の一騎打ちかと思われた3歳1勝クラスのレースでフォアシュピールを馬群に沈ませた騎乗は目を覆いたくなるようなものだった。

*3:完敗だった2着のサウンドキアラのタイムは、2018年以前なら間違いなく優勝できていたタイムだったりもする。

*4:もう、このアーモンドアイ様からだけでも、もう何度となく、数えきれないくらい教えていただいているわけですが。昨年の天皇賞(秋)のエントリーも参照のこと。強すぎる女傑と、またしても、の残念な結末。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

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