7月の洗礼。

月が変わって愛用している某航空会社のカレンダーをめくり、「何となく華やかな写真だな・・・」と暫しぼんやり眺めてから、ハッと気づいた。

その写真は、夜空に鮮やかに浮かぶ大輪の花火、そして輪の数は5つ。

そういえば今月は、新型コロナウイルスが猛威を振るってさえいなければ、2度目の東京五輪が始まるはずの月だったのだ。

ただの名残となってしまった月終盤の「休日」を示す赤い数字の不自然な並びを見ながら、「いや、でも、祝日になっているからには、このカレンダーどおりに絶対休んでやる!」と心に決め、張り切って活動を開始したのは朝のこと。

だが、そんなふうにリフレッシュされた気持ちは、外に出てコンビニで買い物した瞬間に一気に萎えた・・・。

「キャッシュレス・消費者還元事業終了」

と、

「レジ袋有料化」

のダブルパンチ。

これまで480円台くらいで買えていたコンビニ弁当が一気に500円台に突入する。頭の中では分かってはいたけど、いざレジで数字を見ると脱力感は半端ではない。

元々、自分は日常経費に対しては、「塵はどれだけ積もってもただの塵」というスタンスで、日常的なものは自分の通る経路で目に付いた時に買えばよい、こっちのスーパーが10円安いとか、今日は特売だからどうこう、なんてことは関係ない、という主義で長年やってきているから*1、ビニール袋でたかだか3円コスト増になったくらいでとやかく言うつもりはない。

ただ、よりによって、この、消費の落ち込みが懸念されている時期に、しかも、それまで(電子マネーユーザーにしてみれば)何もしなくても一定割合値引きされるのが常態化していた状況から一気にこんな施策を予定どおり突っ込むとは、「コンビニ潰しか?」と言われても仕方ないようなところはやっぱりある。

「何言ってるんだ、地球環境のこと考えろよ。エコバッグ持ち歩け!」という突っ込みも当然あるのだろうけど、雑貨やお菓子ならともかく、レジ裏で温めてもらった弁当を「エコバッグ」に入れて持ち帰る、という発想は全く自分にはないから、せめて弁当の袋だけでも無償に戻してくれないものか、と思わずにはいられない*2

そして、一匹の、しかも極めて凶暴なウサギにまだまだ手こずっている中で、二匹目、三匹目のウサギまで同時に追いかけようとするような政策をぶつけてくる、というのは、いかにそれぞれの役所がそれぞれの役割を持っていて、しかも、自分たちが一度決めたことはよほどのことがないと変えられないのだとしても、やっぱりちょっと無謀じゃないか、と思わずにはいられなかった。

消費税の税率が上がった時と同じで、この手の話は多くの人々が慣れてくると、さほど大きな抵抗を受けることなく社会に浸透していくことになるし、今は直感的に「高い!」と思う今日の価格も、いずれ時が経てば「本来の値段」として多くの消費者、取引先の頭の中に刷り込まれていくことになるのだろうけど、どんなに社会的な意義がある施策でもタイミングを間違えるとねぇ・・・と思うところはあるだけに、今はこの「7月の洗礼」を苦々しく眺めている、ということを申し上げて、このエントリーの締めとしたい。

*1:もちろんこれは「無駄遣いのススメ」ではなく、お金を貯めるなら「大きな無駄」を減らすことにとにかく注力すべき、という発想の裏返しだったりもするのだが。

*2:工夫好きの日本人なら、いずれ、弁当の容器そのものを持ち歩き用のスタイルに変える、といったアイデアが出てきても不思議ではないのだが、そこで対応にもたつくようだと、小売産業の勢力図も一気に変わってくるることだろう・・・。

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