ここで大切なのは「臨機」。

これまで東京都内の数字だけが目立っていた「感染判明者数」の数字で、他の道府県も負けないくらいの大台に乗せるようになり、これまで何となく一息付けた日曜日、月曜日になっても、依然としてこれまで見たことのなかったような数字で高止まりしている、というのが、ここ数日の状況。

欧州で再び「波」が来て、米国でも「波」が来た。

春先のパターンを考慮すれば当然日本でも・・・と思うのが常識的な発想のはずだが、なぜか国内での動きは鈍く、”我慢”を唱えながらも実際には何もしないまま突入したのがこの3連休だった。

そして、それも終わろうとしている今日になって、ようやく具体的に浮上してきた「一部地域のGo To対象除外」

まぁ、誰がどこからどう見ても判断が遅すぎるし、この3連休の旅行代理店や各観光地での混乱を避けるため、あえてジャッジを遅らせた、と指摘されても仕方ないようなところはあるような気がする。

日本のカレンダーってよくできているから、似たようなタイミングで似たような祝日並びが訪れたりするわけで、この月の後半に差し掛かったところでの3連休で思い出すのは、3月のそれ、であり、7月のそれ。

で、そのタイミングから2週間たつか経たないかくらいのところで何が起きたか、ということは、日本にずっといた人なら誰もが分かっているはず。

季節的には、これから春が来るわけでもなく、夏の太陽の陽射しに助けられるわけでもない。

先週後半の生暖かい空気を浴びた時は、これも天の助けか・・・と一瞬思ったものだが、この週末の間に気候はすっかり平時に戻り、かえって急激な気温の変化により、ウイルスとは無関係に風邪気味になってしまった人も多いことだろう。

当然、明日からは、首都圏ではますます寒さと乾燥が加速する・・・。


報道等を見ていると、依然として「年末の忘年会が亡くなったら死活問題だ!」などとコメントする飲食店関係者の声が出てきたりするのだが、急に”ロックダウン”状態になってしまった今年の春頃の話ならともかく、第2波まで越えた今となってもなお、「団体の宴会がないと・・・」というコメントになってしまうのはどうなのか。

自分が知る限り、近隣のメニューに自信がある飲食店の多くは、5月の連休明け人々が街に戻り始めた段階で早々に店内を少人数利用に適した配席に変更し、デリバリーサービスをフル活用して新たな境地を切り開いているし、そういう店は、店内は以前より静かになっても厨房は常に活気で満ちている。

観光にしても同様。

元々個人客を大事にする宿泊施設、団体客中心の設定から個人客重視の設定に切り替えた宿泊施設は、「Go To」の波に翻弄されつつも、レーティングをより高めてしぶとく運営を続けている。

これまでのスタイルと今のスタイル、どちらがこの先の「ノーマル」になるのかは、誰にも分からない。

一つだけ言えるのは、「今、目の前にある危機を乗り越えようと思ったら、相応の知恵は使わないといかん」ということだけである。

早い段階で「Go To」の対象から外れて落胆する人々を横目に、「まだまだ続けられる」と安堵している人々も見かけるのだが、このペースで行けばそれもつかの間、たかだか1~2週間程度の”誤差”にしか過ぎないわけで、そういったところに慮って措置を取るのが遅れれば遅れるほど傷は深くなるのは目に見えているから、最大限楽観的な見方に立っても、おそらく、来月から年明け半ばくらいまでは少なくとも宴席が設けられるような状況ではなくなるだろうな、とか、どの観光地にも再び静けさが戻るのだろうな、という未来図しか見えないのだが・・・。


誰もがそう簡単に変われるわけではないし、変われない者は即退場せよ、などとエキセントリックなことを言うつもりもない。

ただ、変わらなくても「臨機」に対応できるだけの最低限の自衛力は誰にとっても必要なわけで、今押し寄せている「第3の波」が去った時、生き残った全ての人々が、それまでよりはちょっとでもそれを身に付けている世の中になっている、と信じたい。そして何よりも、自分自身が、春先から一貫してテーマにしてきた「食いながら生き延びる」というミッションをまだまだ着実に実行していかねばならぬ・・・と思っているところである。

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