不思議な見出し。

「仕事納め」という迫りくるタイムラインを見据えながら、朝から晩まで超特急で突っ走る。それでこそ師走。そして、今週に入ってからどっぷりとそんな空気に迫っている。

幸か不幸か、今年は「実質的には25日で終わりです・・・」という会社が結構多くて、ボールを手元にもったまま年を越したくない身としては、「最後の週末で」というアテが少々狂ってしまっているところもあり、だからなおさら押し込まれている感が強くなってしまっているのかもしれないが、それでこそ師走。

そんな感じでやっている。

ということで、月曜日の紙面には既に掲載されていたのに*1、すっかり取り上げるのがおそくなってしまったのが、年末恒例の「第16回『企業法務・弁護士調査』」である*2

もうずいぶんと長く続いている調査ではあるのだが、昨年はちょっとした変化の兆しも見え始めていたし*3、今年は新型コロナ一色の年、ということで、何かが起きるかも?という微かな期待はあったのだが・・・。

<企業法務全般(M&Aを除く)>
1.中村直人(中村・角田・松本)16票
2.野村晋右(野村綜合)10票
3.倉橋雄作(中村・角田・松本)9票
3.太田洋(西村あさひ)9票
3.柳田一宏(柳田国際)9票

蓋を開けてみれば鉄板。

今年も首位は不動の中村直人先生、ということで、「コロナ下」だったからこそ信頼がより輝いたのでしょうね、という一言に尽きるのかもしれない。

興味深いのは、昨年「中村氏8連覇」という見出しを付けていた日経紙が、今年はこのジャンルの動きを全く使わなかったことで、紙面でも電子版の記事でも、大見出しになっているのは、「危機管理」と、「企業法務」からスピンアウト(?)した「M&A」分野でトップに立った弁護士の名前のほう。

本来なら(栄光の巨人軍と並ぶ)「9連覇」という見出しを付けられて然るべきだった中村弁護士、そしてもうお一人、世代的に「躍進」の見出しがついても不思議ではない3位の倉橋雄作弁護士までもがスルーされてしまっていることに対しては個人的にはちょっと首をかしげたくなるところもある。

おそらく当のご本人たちはそんなこと全く気にしておられないだろうけど、投票した企業の側の感覚としては、「企業法務全般」こそが”真の一票”で、あとはおまけ的なところもあったはず。

そう考えると、今年の厳然たる結果の前に、あえて伝え方の切り口を変えてまで「変化」を演出する必要があったのかどうか。そして継続と時点変動の観察にこそ意味があるこの手のランキングで、カテゴリー分けまでも動かしてしまった、ということで、ランキングの価値自体が損なわれる恐れがあることを考えると、来年からはもう一度原点に立ち返り、「企業法務」カテゴリー一本で勝負しても良いのではないかな・・・とすら思う。

ということで、ポスト・コロナ時代にまで、この企画が受け継がれていくのかどうかは分からないが、引き続き温かく見守りつつ、来年の「10連覇」の瞬間を見届けたいな、と思った次第である。

*1:もっと言うと、電子版には先週の時点で掲載されていたのに・・・。

*2:日本経済新聞2020年12月21日付朝刊・第13面。

*3:見え始めた世代交代の息吹。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~参照。

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