ここのところ「週末はステイホーム」な状況が続いている。
緊急事態宣言下の時世に配慮して、という面がないとは言わないし*1、相変わらず週末までもつれ込む仕事に追われている、というシビアな現実ゆえ、という一面もある。
ただ、一番の理由は他のところにある。
「寒い。とにかく寒い・・・。」
平均気温の数字だけ見れば、同じくらい寒かっただろ、という年はここ数年のうちにもあったはずなのだが、外に出た時の体感、さらに言えば、家の中にいる時ですら”冷え”を感じる。
もしかしたら設置工事から優に10年以上経ってしまったエアコンの力が弱っているから、なのかもしれないし、自分自身歳をとったせいもあるのかもしれないが、体感で言えば、今年の冬は東京に住み始めてから一番の寒さ、そして蘇るのは雪深い街に住んでいた20年くらい前の記憶、である。
自分はとにかく寒いのが苦手、夏場はどれだけ暑かろうが屋外を歩き回れるくらいの根性はあるのだが、冷え込むと途端に行動力も思考力も奪われる。
さらに言えば、雪だの氷だのを見るのも好きじゃない*2。
それでも本当の寒冷地だと、屋内にさえこもっていれば、心にしみわたるような暖かさを味わえるから、それはそれで嫌いではないのだが*3、中途半端に都会にいるとそんな贅沢な時間を味わうこともできない。
・・・ということで、仕事は捗らず、かといって気晴らしに外に出かける気分にもならず、どうにもこうにも、な週末が続いている。
ついでに言えば、昨晩は「日曜日の午前中は関東で雪」という予報もあり、中央競馬であわや開催中止か!という状況でもあった*4。
COVID-19が猛威を振るい始めて以来、様々なお店やイベントが軒並み休止に追いやられる中で孤軍奮闘を続けてきた中央競馬が「雪」で中止に追い込まれるとなれば、「新型コロナよりも強い冬将軍」説が俄然リアリティを帯びてくる*5。
もちろん、広い世の中には、この凍り付くような寒さが好き、という人もいるのかもしれないし、夏の暑さよりはマシ、という人もいるのだろうが、全体で見れば、この冷え込みで意気揚々としている人よりは、同じようにどんより動きが鈍ってしまっている人の方が多いはずだ。
そして、単に動きが鈍って外に出なくなるだけなら、今の世の中の状況を考えるなら実に喜ばしいことではあるのだが*6、一方で、この寒さと乾燥は、現に罹患してしまった人々にとっては実に大きな脅威になりうるし、新型コロナウイルスそのものとは無縁に生きている人にとっても昨年からの長きにわたる耐久生活を辛うじて支えていた気力を打ち砕く「とどめの一撃」にもなりかねない。
新型コロナの新規感染者の数字がピークを超えつつある状況でも死者数は依然増加一途、さらに連日どこかで人身事故が起きている、という今の状況は、単に「コロナのせい」という言葉だけで片づけられないような気がして・・・。
これまでの数年の中では群を抜いて寒かった2012年や2018年がそうだったように、冬の寒さが厳しい時ほど、かえって春の立ち上がりは早いし、そこから夏にかけて気温も一気に上がりやすい、という傾向があるんじゃないかと自分は何となく思っている。
だから、あと1か月ちょっとこの寒さに耐え抜けば、あとは、コロナが去り、寒暖差を生かして咲き誇るであろう美しい桜並木をくぐりぬけて、五輪が待つ暑い夏に一気に盛り上がっていけるのだ!という思いを胸に何とか耐え忍んでいるところではあるが、平日街に出てどこの店にもすっかり定着したサーモグラフィーで自分の顔の横に35℃前半の数字が常に浮かび上がってくる様を見てしまうと、やっぱりせめて1日、1℃、2℃だけでも気温が上がってくれないか、と思わずにはいられない。
ということで、ゴジラ対何とか、みたいな最凶キャラ同士の頂上対決。勝ち負けなんてどうでもいいから、どちらも一刻も早く地上から消えてくれ・・・と願いつつ、結局日中にさばけなかった仕事にギリギリまで追い込まれて夜なべする日曜の夜。
納期はまだ来なくていい、でも、もっと先にある春は早く来てほしい・・・。そんな矛盾の中で、また新しい一週間が始まろうとしている。