世の中では多くの人々が「仕事納め」を迎えるようだが、自分の仕事は納まらない*1。
だがそうはいっても、今日は真の中央競馬開催最終日、ということで、とりあえず全レース馬柱は眺めた。そして最後の思いを託す・・・。
メインのホープフルSに関して言えば、GⅠ昇格後非常に分かりやすい傾向があって、
・過去3年、勝った馬はすべてデビュー以来土つかず。
・GⅠ昇格後の過去4年、前走で負けて馬券に絡んだのはたった1頭だけ*2。
・GⅡ時代に遡っても、2014年~2020年の7年間で、前走負けた馬が馬券に絡んだのは↑の1頭だけ。
ということで、ここまでデビュー以来連勝中の馬を頭にして、前のレースに勝った馬を抑えておけば大体当たる、という簡単なレースになるはずだった*3。
その結果、今年選んだのは、コマンドライン、ジャスティンパレス、オニャンコポンの無敗組に、ちょっと捻ってフィデルまで。
1番人気のコマンドラインはともかく、あとの馬にはそこそこ良い感じのオッズも付いていたので、しめしめ・・・と思ったところはあったのだが・・・。
代わって、一昨日のVTRを見るかのようにキャロットの勝負服で力強く抜け出してきた横山武史騎手が、データ的には決してレースとの相性が良くなかったはずのキラーアビリティで堂々の優勝。
ジャスティンパレスこそそれに続いたものの、さすが川田&友道厩舎と言わんばかりに追い込んできたフィデルとの間にラーグルフが割り込んだために、あっさりと夢は消え去った。
かくして2021年もさえなく終了・・・。
例年、(コントレイル以外は)ひたすらジンクスに抗い続けて落としてきたレースを、ジンクスに従ったゆえに落とす、というのは残念なことではあるが、キャロットにとっては、最後の週でGⅠを2つも持っていく、という絵にかいたような奇跡を演出できた実に良い1年の締めくくりだったのではなかろうか(完全に他人事だが・・・)*4。
まぁ振り返ってみれば、今年の中央競馬界一番の話題は、横山武史騎手の大ブレイクで、クラシック戦線での悲喜こもごもを超えて年間100勝超え。さらに最後の週でGⅠを2つ奪ってルメール騎手に並び、しかも最終日に11R、12Rと連勝する、という出来すぎた締めくくり。
終始好調をキープしていながらシーズン終盤に足踏みして、200勝をあと一つ、のところで逃してしまったルメール騎手との勢いの差も歴然としていた。
来年は、有馬記念前日の不注意騎乗でシーズン早々から乗れない日がある、というのは少々残念ではあるが、この勢いがあれば来年は関東、と言わず全国のリーディング争いにも名を挙げ、そして自分に競馬の物心がついてからは終始”脇役”に甘んじていた横山家の歴史にも新しいページを切り拓くのだろうな、と思わずにはいられない。
そしてもう一つの”日出づる”は何といってもJRAそのものだろう。
無観客、入場制限、といった状況を続けながら、対前年比売上3.6%増。一時は2兆円を割り込むんじゃないか、というところまで落ち込み、娯楽の多様化もあってもう二度と戻らないだろう、と思われていた「売得金3兆円」の壁も13年ぶりに取り戻した。
その背景には、コロナ禍下での他の娯楽の壊滅的打撃、という喜べない事情もあるし、「ウマ娘」のヒットのような幸運な風もある。
ただ、日本中が未知の感染症の襲来に慌てふためくしかなかった頃から、セールスを淡々と「DX」戦略に切り替えるとともに、徹底した現場オペレーションで希望の灯を守り続けた運営の秀逸さは、どれだけ称賛しても足りないくらいだと自分は思っている。
ここ数年、ターフを沸かし続けてきたスターホースたちが次々と去っていき、その一方で様々なところで「日常」が戻る中、この先どれだけの盛り上がりをキープできるかは分からないけれど、長年待ち望んだ長澤まさみの登場*5とともに、来年も夢を見たい。
今はただ、それだけである。