勝てないのは馬のせい?それとも・・・

先週のエントリーでも触れたが、今年の中央競馬は年初から”波乱”の空気に満ちている。

金杯が荒れるのは当然、3歳重賞も馬の若さを考えれば・・・と、多少の理屈も立ったのだが、いよいよ古馬戦線も本格的に動き出して、「さぁAJCCで真打ち登場!」となるはずが、結果は3番人気のキングオブコージが優勝。2着は11番人気のマイネルファンロンが飛び込み、最後方からまたしても・・・のアサマノイタズラをボッケリーニがハナ差抑えていなければとんでもない結果になるところだった。

これまでこのレースは5年連続で1番人気の馬がきっちり連に絡んでおり、特にここ2年ほどは、ブラストワンピース、アリストテレスというノーザンファームのエース格の馬たちが堂々と1番人気を背負って勝利していた。

だが、今年は、昨年のアリストテレスと同じローテーション、菊花賞2着から直行したオーソクレースが、ルメール騎手を乗せながら最後の直線で伸びを欠いて6着に敗れ、2番人気のポタジェとともに沈む展開に・・・。

ついでに言えば、ダート戦にしては比較的堅く収まる傾向が強かった中京メイン、GⅡ・東海ステークスでも優勝したのは7番人気のスワーヴアラミス。

名門ノーザンファームではないとはいえ、東西重賞の勝ち馬はいずれも社台コーポレーション白老牧場の馬たちだから良血といえば良血なのだが、昨年のこの月、東西金杯から毎週勝ち続けていきなり月間重賞7勝と固め打ちし、ライバルの牧場たちを寄せ付けなかったあのノーザンが、今年は1月、まだわずか2勝にとどまっている、というのは何とも不可解で、それが毎週の波乱にもつながっている。

このまま長年守ってきた王座が揺らいでしまうのか、それともまた月が替わればこれまで通りに勝ちだすことになるのか、今の時点では何とも見通しが立たないところではあるが、日本の馬産界の裾野を広げていく、という意味では、この”革命”現象も、通らないといけない道なのかな、と思ったりしている。


そして、そんなノーザンファーム勢の不振とタイミングを合わせるかのように、年が明けてから重賞レースでの勝ち星に恵まれていないのが、ルメール騎手である。

先週の京成杯では後方から追って伸びず、今週のAJCCでは先行して交わされる、と、どうにも歯車が噛み合わないレースをしている印象も受けるのだが、今の状況を「ノーザンファーム生産馬の成長力に陰りが見えてきたゆえの結果」とみるか、「ルメール騎手が乗れていないからノーザンファームの馬が勝てなくなっている」とみるかは悩ましいところもある。

なんだかんだ言っても、現時点でランキング2位。未勝利戦、新馬戦では良血馬に乗ってきっちり結果を残す、ということもやってはいる。

ただ、昨年の1月、怒涛の重賞3勝で波に乗っていたのがこのルメール騎手自身だったことを考えると、今年とのギャップは結構気になるところもある。

シーズンが終わった時に、”杞憂”だったことを思い知ることになるのか、それともこの辺の動きを機に一気に世代交代が進んでいくのか。

ちょっとした予感も抱えつつ、もうしばらく今の状況を見守ることにしたい。

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