こんな日でも代表は勝ち、そして歴史は続いていく。

正直なことを言うと、今日の試合は負ける、と思っていた。

連日のオミクロン感染者は7万人を遥かに超え、10万人の大台に向けて着々と数字を伸ばしていく。

株高に浮かれた季節は終わり、この日はあわや26,000円割れも覚悟した日経平均841円安。

飛翔体は毎朝、ご挨拶のように空を飛び、それでいて緊迫する欧州情勢は蚊帳の外。

冴えないこの国を象徴するような冴えないニュースが続く中、とどめを刺すのが、明朝の「W杯最終予選通過絶望的」の見出しになっても全く不思議ではなかった。

国内組の底上げを図った親善試合はあえなくコロナで中止となり、笑っちゃうくらいの総入れ替え状態となった代表選手たち*1

加えて、期待されていた選手が次々と欠けていく。

攻撃陣は、それでも古橋選手、三苫選手くらいだから「層が薄くなった」くらいの話で済むが、吉田麻也選手負傷の報を聞いたときは正直背筋が寒くなったし、直前の冨安選手の負傷のニュースを聞いたとき、自分はもうこの2連戦を完全にあきらめた。

今日の相手は格下中国とはいえ、相手が日本なら当然士気は上がるし、帰化選手も数名はメンバーに入っている。

いかにホームでの試合とはいえ、なめてかかればもちろんのこと、普通に戦ってもちょっと悪い流れが来たら一発食らってTHE END。そんな展開になっても全く不思議ではなかった・・・。


珍しく地上波の中継もあったようだが、試合は全く見ていない。

こんな心臓に悪い試合を見るくらいなら、今が佳境のアフリカ選手権の動画でも眺めていた方がよほど気持ちは上向きになる。

だが、試合終了のアラートに反応し、スコアを見たら2-0。これだけ見れば完勝に違いない。

実力通りといえばそれまでだが、今の代表への期待値の低さの前ではこれも嬉しいサプライズ。今夜のNY市場の沸騰と同じくらいのレベルでは心も沸き立っている。

先に終わったもう一つのカードではオーストラリアがベトナムに圧勝して、日本との得失点差はさらに開いた。
来週のサウジ戦にしたって、オミクロンの助けでも借りない限り、勝てる気は全くしない。振り返れば1993年以来の無常観。

それでも、今日勝って、あと1試合、2試合、W杯連続出場の歴史とそれに向かう夢をつなげる日本人であることの幸せを今は噛みしめるしかない。

最終予選の日程が終わった頃、無事米国の利上げの波も越えて、ここしばらく混乱続きの世界がちょっとでもマシになってくれていることを自分は願う。
そして、その時、最終予選通過国の中に、我らが日本の名前が残っていてくれたなら、どんなにうれしいことだろう、と、50/50な確率論の世界に、微かな思いを託してみたりもしているのである。

*1:特にMF陣は、国内で招集されていたメンバーが誰も登録メンバーに残らない、という空前絶後の恐ろしい状況になってしまった。

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