「BLOGOS」の灯は永遠に。

また慌ただしさにかまけて少し寝かせてしまっていたのだが、2月最後の日にいただいたメールの一つに、こんなことが書かれていた。

(前略)
日頃よりBLOGOSの運営にご協力いただき、誠にありがとうございます。
2009年10月5日にサイトオープンして以来、多くの皆様にご愛読いただいておりましたBLOGOSですが、2022年5月31日をもって、サービスを終了させていただくことになりました。
長きにわたりサービスを運営してこられたのも、ご参加いただいたブロガーの皆様、媒体の皆様のご協力のおかげです。
心より感謝申し上げます。
(後略)(強調筆者)

本年3月31日をもってサイトの更新終了5月31日をもって公開も終了

編集部からのメールが来たのは久方ぶりだった気がするが、それがこんな悲しいお知らせとは・・・。


過去のメールを探してみたら、当時の㈱ライブドアのメディア編集部の方から、まだ開設されて間もなかった「BLOGOS」への掲載依頼をいただいたのは2011年5月のこと。

あれから約11年。このブログも随分とお世話になった。

blogos.com

掲載いただくようになった2011~2013年頃と言えば、このブログのPV数の全盛期で大体年間で40~50万PVくらい、月間5万PVを超える月も何度かあった。

仕事が猛烈に忙しかった時期と重なっていたこともあり、1日2本以上のペースでエントリーを上げていた開設当初に比べれば上げた記事の数はかなり少なくなっていたものの*1知財ネタや「ポスト3・11」の話題を中心に、渾身の力を込めて書いた記事に多くのブクマが付き、読者の方々の目の触れる機会も多くなっていた時期だったのは間違いない。

そしてそんな時代のブログの記事のいくつかを編集部の方々の独自の感性で拾い上げていただき、存在感のあるメディアの片隅においていただいたことが、更なる読者層の拡大につながったのだろう、と自分は思っている。

非常に興味深かったのは、本籍地である「はてな」の方で読者の皆様から多くのブクマやスターを付けていただいていた記事と、BLOGOS編集部が取り上げて下さる記事が必ずしも同じではなかった、ということだろうか。

特にここ数年は、はてなTwitter経由では多くの方にアクセスいただいていた専門系のネタや、法務のあり方系のネタよりも、ちょっと肩の力を抜いて書いた話題の方をBLOGOSに取り上げていただく機会が多かった気がする。

自分は、元々、法務の世界で生きるからには神羅万象精通せねば何も為すことは叶わぬ・・・という思いで日々生きていた人間だし、それゆえ誰かに「○○専門」といったようなラベリングをされることも好まない。

だから(もちろん好みの話題に偏りはあるものの)意図的に一つの方向でエントリーを固めないように、ということを意識しながら15年以上このブログを書き続けているのだが、そんな性分の書き手にとっては、(このブログを「法務ブログ」と定義するなら)”ノイズ”と思われても仕方のないような記事を拾い上げ、整ったレイアウトで媒体に載せて下さるBLOGOSの編集部のセンスの素晴らしさには、いつも感謝するほかしかなかった

また、「はてな」側とBLOGOS側の両方で盛り上がっている記事でも、付されたコメント等を見ると*2、ずいぶんと読者層が違うのだなぁ…と感じさせられることも多く、ネットメディアの奥行きの深さ、というか、世の中には考え方もバックグラウンドも異なる様々な人が大勢いる、というごく当たり前のことを改めて気づかせてくれた、という点でもBLOGOSは非常にありがたいメディアだったように思う*3

月日が流れていくうちに、事業譲渡やら会社の組織再編やら、いろいろなことがあったのだろう。

いつしか事業運営会社の名前は変わり*4、それ以上にSNSメディアを取り巻く環境も変わった。

個人的には、プロフィール欄がいつまでも「中堅法務パーソン」のままだなぁ、いつ変えてもらおうかなぁ・・・と、ここ数年心に引っかかっていたのだが、その修正をお願いする前に来てしまったのが冒頭のお知らせだったわけで、でも、それも、今の世の中のトレンドを考えるとやむを得ないところはあるのだろうと思っている。

ただ、ここで一つの終わりを迎えることになったからといって、ここまで約12年半、「BLOGOS」というブランドの下で編集にかかわってこられた方々がやってこられたことの価値が失われるわけではないし、目指しておられたものは、きっとまた違う形でどこかに受け継がれていくのではないかと信じている。

そして、初期の頃に時々いただいていたAWARDへのご招待や折々でのご照会にタイムリーにリアクションできていなかった非礼をその時々の編集部の皆様にお詫びするとともに、BLOGOSという場で「もう一人の企業法務戦士」をフォローしてくださった100名超の方々、掲載された記事の「支持」のボタンを押して下さったのべ「1718」の方々に、心より厚く御礼申し上げたい。

*1:この点で言えばフリーになった後の19年、20年くらいの方が記事数は多いくらいだ。

*2:基本的には完全匿名で投稿できるコメント欄にはなるべく目を通さないようにしていたのだが、あまりにコメント数が多いとさすがに怖いもの見たさで・・・ということは年に何度かはあった。

*3:これは、Twitter上で”法務・知財クラスタ”を自称する善良な方々(それでも有象無象ではあるのだけど)のツイートを日々見続けるだけでは決して得られない感覚だったのは間違いない。そもそも法務、知財にかかわっている人々だけに限っても、ある程度”顔”が見えるSNSに首を突っ込んでいる人など数パーセントにも満たないのだから・・・。

*4:今、よく見たら「ご近所さん」(というか「店子さん」か・・・)だった時期もあったようだが・・・。

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