最後の最後での答え合わせ。

昨年秋、出だしから思わぬ苦戦を強いられ、「監督交代」論まで噴き出す騒然とした空気となったサッカーW杯最終予選。

だが、おかげで、久々のスリルを味わい、最後は爽快な気分で締めくくれた気がする。

気が付けば昨年10月、ホームのオーストラリア戦から怒涛の6連勝。

守備陣では、それぞれ一時離脱を余儀なくされたものの、吉田麻也酒井宏樹といった歴戦の勇者たちが要所で十分すぎるほどの存在感を示し続け、もう一人の功労者、長友佑都選手も、無礼な今どきの代表サポたちに毎試合酷評されながら、W杯出場を決めるところまでは先発の座を譲らなかった。

中盤に目を移せば、大事な試合で毎試合ゴールを決め続け、最終予選の実質MVPともいえるような存在になった伊東純也選手に、攻守にわたり堅実に働き続けた遠藤航、守田英正の両ボランチが輝きを放つ。

権田修一選手が、新守護神としてW杯出場を決める瞬間までゴールを守り切ったのも嬉しい出来事。

そして何より、ホームのオーストラリア戦で鮮烈な代表初ゴールを決めた田中碧選手がそこから欠かせないピースとしてレギュラーに定着し、中山雄太選手が長友選手と左サイドの座をめぐって支持率を二分するほどの躍進を見せ、最後のオーストラリア戦では三苫薫選手が2ゴール、と、A代表チームが苦しい戦いを乗り越える中で昨年の東京五輪代表組を取り込み、選手層を分厚くした、というのが、最終予選の一番の収穫だったような気がする。

思った以上に新型コロナが長引いて、まだまだ街中でパブリックビューイングという雰囲気ではない、ということを除けば、あの最悪の時期の予想がしっかり的中した(↓)、というのはホントに良かったと思うが、それ以上に、短期間の予選のうちにこれだけきれいに世代間シフトを進められたチームというのもなかなかなかったような気がするし、この「成長」は、今年の秋、カタールできっと生きると思っている。
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ガラッとメンバーを入れ替え、「何で呼ばないの?」「何で使わないの?」とクレームに近い悲鳴に押されていた選手たちを最終戦となったベトナム戦で使い、歴史的な勝ち点1を献上した、というのも、それだけ見れば無意味な試みに見えても、「それまで起用してきたメンバーこそが正解だったのだ」ということを知らしめ、森保監督のこれまでの手腕の確かさを証明した、という点では実に大きかったような気がするわけで、その意味で、選手時代も、監督になってからも、「実直なれど策士」な現監督の本領が最後までいかんなく発揮された最終予選だったのではなかろうか。

ここからの半年で、国内でも海外でも、今の代表選手たちの立ち位置は少なからず変わり、おそらくW杯本番は、今の代表チームからはかなり顔ぶれが入れ替わる形で迎えることになるのだろうが、そういったフィールド外での「策」にも思いを馳せつつ、久々に盛り上がった”代表熱”を冷まさずに、本番を迎えられれば、と思っているところである。

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