前々から知ってはいたが、長年刷り込まれたカレンダーからはあまりに外れた日程ゆえ、まだ「直前」モードには入れない今年のカタールW杯。
だが、登録メンバーの発表となると、いよいよ・・・という気分にはなってくる。
「日本サッカー協会は1日、ワールドカップ(W杯)カタール大会(20日開幕)に臨む日本代表26選手を発表し、久保建英(レアル・ソシエダード)や相馬勇紀(名古屋)らがメンバー入りした。長友佑都(FC東京)と川島永嗣(ストラスブール)は4大会連続のW杯となる。」(日本経済新聞2022年11月2日付朝刊・第37面)
これまでよりちょっと多い26名の選出。
この後に続く記事で「落選」と報じられた選手も何人かいるが、個人的にはほぼ違和感のない手堅い人選だな、という印象だった。
新型コロナ禍の影響で、様々なスケジュールが狂い、昨年の東京五輪から年を跨いだ最終予選まで限られた代表レベルの試合が一気に続いた、そして、試合を重ねるごとにチームの形も明確に見えてきた、というのが今大会の特徴で、それを踏まえるならメンバー内での序列の入れ替わりはあっても、メンバー自体が大きく変わることは考えにくい。
だから、セルティックでどれだけ結果を出していても古橋亨梧選手がメンバーに入れないのはもはや必然、といえるわけで*1、逆に故障を抱えていても、今の代表での実績がある限り、板倉滉選手や浅野拓磨選手は入ってくる*2。
経験豊富な大迫勇也選手や原口元気選手が選考から漏れたことへのブーイングもチラホラ上がっているようだが、そこは「南アフリカの歓喜」を知る川島永嗣選手、長友佑都選手、さらに吉田麻也選手、酒井宏樹選手、といった守備側のレジェンドたちがいれば十分、と判断したのだろう。
MFに関しては、今季の鎌田大地選手、三苫薫選手の躍進を考慮すると、いかに最終予選で奮闘していたとはいっても、控え組のベテラン勢にはもはや居場所はなかったし、柴崎岳選手か原口選手か、と言われれば自分は柴崎選手を選ぶ*3。
FWも、直近のエクアドル戦の後半に上田綺世選手が見せた安定感あるポスト役としてのパフォーマンスを見たら、「ここが世代交代のタイミング」と考えるのは自然だったと思われる。
もちろん、この手の話で誰もが満足する答えを出す、というのは不可能なわけで、難癖をつけようと思えばいくらでも付けられる。
自分も、メンバーの一覧表をパッと見た時に、一番左の列(GK、DF陣)の平均年齢がやたら高く見えるのが気になっていて、経験豊富といえば聞こえは良いが、「最初の3試合」を超えてハードな連戦をこのメンバーで乗り切れるのか*4、という疑念は湧いてくるし、そう考えると、もっと若いメンバー(GKなら谷晃生選手、DFなら瀬古歩夢選手、ついでにFWで町野修斗選手も)を入れても良かったんじゃないかな、と思ったりしなくもない。
でも、そんなものは所詮、素人の浅知恵に過ぎない。
勝てば英雄、負ければ戦犯。開幕前はそれほど盛り上がっていなくても、いざ大会が始まれば、依然としてそこそこの数の視聴者が映像に惹きつけられ一喜一憂する。そして、結果が全ての世界で、早々に敗退しようものなら容赦なく罵声を浴びせる。
その厳しさを一番よく知っている監督以下のスタッフが選んだメンバーなのだから、ピントが外れているはずもない。
そう信じて、あと1ヶ月を切った祭典の始まりを、静かに待ちたいと思っている。
*1:そもそもスコットランドリーグでの実績をどこまで額面通り評価するか、というところも考慮されたような気がする。
*2:もっとも、これまで通り23名の枠だったら、板倉選手はともかく浅野選手のメンバー入りは厳しかったはずで、その点、「枠拡大」に救われたところはあるような気がする。
*3:ここは完全に個人的な趣味の世界になってくるかもしれないが・・・。
*4:本来なら、最年少でフル稼働する立場の冨安健洋選手が故障を抱えていつ離脱しても不思議ではない状況だけに、なおさらそう思う。あと、GKに関しては、4年後このメンバーが誰もいなくなって技術継承できなくならないか?ということもちょっと気になる顔ぶれである。