ようやく帰ってきた「京都」がもたらすダイバーシティ。

長らく改修工事が続いていた京都競馬場が、実に2年5カ月ぶりに中央競馬の開催地として戻ってきた。

春の天皇賞、そして秋の定番だった秋華賞菊花賞エリザベス女王杯マイルCSといったGⅠシリーズの舞台から「京都」の名が消えてもう久しかったから、最後に京都競馬場でGⅠが開催されたのが新型コロナ禍が始まる前だったのか後だったのか、という記憶すら曖昧になっていたのだが、調べてみたら、無観客で行われたコントレイルの三冠達成の舞台まではまだ京都。

その事実をもって、意外と開催休止期間は短かったんだな、と思うのか、それともそんなに経ったのか、と思うのか、に世代と競馬歴の長短がどうしても出てしまうわけで、自分は当然前者だったりもするのだが、それでもラジオから流れる「京都競馬場○○レース」というコールを聞いて、なんだか懐かしい気持ちになったのは同じである。

コース中の高低がトリッキーで仕掛けるタイミングも独特な京都コースは、他の競馬場との比較でも一種独特なアクセントになっていて、栗東所属の馬でも「京都コースが得意な馬」と「阪神コースが得意な馬」の傾向は、かなりはっきり分かれていた。だから、馬を走らせる側はその違いをうまく見抜いてローテーションを考えていたし、その違いを読んで人気が落ちた馬を救い上げる、というのも「勝てる予想」の一つのパターンだったわけだが、そのアクセントを失ったこの2年半、西側の大レースがもっぱら阪神でのみ行われるようになったために、どうしても競馬界の勢力図が単調になってしまったところはあったような気がする*1

人間にとっては短い時間でも、馬にとっては競走馬の旬の時期が丸々重なる、ということもあったりしたわけで、そういった悲喜こもごもを見ていくとキリがないのだが*2、これでようやく選択肢が整った、という点ではよかったのではないかと思っている。

ちなみに、この土曜日、日曜日、恵まれた天気の中行われたリ・オープニングシリーズの様子を聞きながら思ったのは、ピカピカのおろしたての馬場にしては結構差し・追い込みが決まるな、ということ。日曜日には芝コースを走るのは1年ぶり、しかも阪神コースで3たび敗れ最後はタイムオーバーの屈辱まで味わっていた自分の出資馬(14番人気)がほぼ最後方から直線一気で3着に突っ込んでくれたおかげで、この2日間の京都競馬場の回収率は295%という驚異的な数字になってしまった。

さすがにこんな出来すぎた結果がずっと続くはずもないのだけれど、多様性が保たれることの大事さは、こんなところにも表れているな、ということで、これも一つのネタとしてメモしておくことにしたい。

*1:もちろん、間に挟まる中京コースと、阪神コースとの間での得意不得意も結構はっきり分かれるので、それはそれで予想には活用できたとはいえ・・・。

*2:自分がかかわった馬の中にも、京都コースを使えたらもっと走れたのにな・・・という馬は何頭かいた。

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