開幕してからしばらくは、まだまだ分からんなぁ、というところもあった今年の阪神タイガース。
だが、GWが明けて5月半ばにカープを叩き落として以降は、リーグで首位独走。
交流戦ではパ・リーグの各球団にいいようにやられていた感はあったし、主力選手が順繰りに不振に陥って、いよいよ危ないかな…と思った時も何度かあったのだが、今年に関してはそれ以上にセ・リーグの他球団がひどかった。
夏が盛りを迎える頃には、有力選手を故障離脱で欠く他球団を横目に、あれよあれよを勝ち星を積み重ねる。
1番・近本~5番・大山までの上位打線も、村上、才木の2枚看板を筆頭とした先発ローテーションも、それに続く黄金のブルペン陣も、開幕当初からほぼ原型を維持したまま突き進み、気付けば点灯した優勝マジックはあっという間に小さい数字になっていく。
そして、とうとう「9月7日」という史上最速のタイミングでのリーグ優勝の日を迎えることになってしまった。
17試合を残して2位に17ゲーム差、という半端ないぶっちぎり感に、非の打ちどころなどあるはずもないのだが・・・。
自分は、1990年、前年大逆転で日本シリーズを制覇した勢いそのままにセ・リーグでは憎ったらしいほどの強さを発揮していた読売巨人軍が、日本シリーズでどんな惨めな姿を晒したか、ということを目の当たりにした世代である。
既に開幕日が10月25日、と決まっている今年の日本シリーズ。ざっと見積もっても本番は50日近く先だ。春先のカレンダーに重ね合わせれば、丸々キャンプをやろうとすればできてしまうくらいの間隔がそこにはある。
おそらくパ・リーグの上位2球団は、ペナントレースでも、CSシリーズでも最後の最後までもつれた勝負を繰り広げるのが必至だろうから、まだまだあと1ヶ月ちょっとは緊張感をもって試合ができるし、何ならセ・リーグの2位~5位の争いもまだまだどうなるか分からない。
ここで優勝を決めて浮かれていたら日本シリーズに辿り着く前に悲劇的な下克上を食らってファン消沈、となることだって十分考えないといけないわけで、早々に決まってしまったがゆえに悩みの種は増えることになる。
できることなら、佐藤輝や大山選手の口から「野球観が変わった」という言葉が出てくるような事態は決して見たくないし、今年のタイガースは、むしろ圧倒的な強さで相手チームの野球観を「変える」チームであってほしいと思っているのだけれど、はてさてどうなるか。
就任直後の微妙な評価を開幕から6ヶ月も経たないうちに見事にひっくり返した新人監督の、ここからのチームマネジメントをしっかり見届けたいと思っているところである。