哀しき終戦。

こんな結果になってしまったから言うわけではないが、「晩秋」という季節は甲子園には似合わないな、とつくづく思う。

そもそも甲子園といえば「夏」の季語だ。

高校生たちが汗と涙を流すシーンのインパクトが強いのはもちろんのことだが、プロ野球に目を移しても、真夏の蒸し蒸しとした熱気の中で、大歓声ととともに打線が爆発し六甲おろしが響き渡る、というのが正しい甲子園の使い方なのであって、肌寒い空気はかの球場にはとことん似合わない。

そして、遠い東京の空の下で応援しているファンにとっても、この季節の甲子園のナイターの良い思い出なんて、2003年にホークス相手に3連勝した時くらい*1しかなくて、後は千葉ロッテにボコボコにされたとか、そもそも日本シリーズに行く前に下剋上食らって負けたとか、そんな苦々しい思い出に満ちている。

だから、今回、クライマックスシリーズを圧倒的な強さで駆け抜けた後も何となく嫌な予感はしていたのだが、生半可福岡で幸先よく1勝してしまったがゆえに、一瞬勝てる夢を見てしまい、それゆえに、「甲子園での3連敗」が、これまで以上に苦々しい記憶を上塗りすることになってしまった。

冷静に振り返れば、デュプランティエ投手が試合をぶち壊した第2戦以外はいずれも1点差ゲームで、スコアだけ見た後世の人々は、今年の日本シリーズを「紙一重の戦い」だったと評するのかもしれない。

だが、感覚的には、甲子園での3連戦での「1点」は最後まで重く、遠かった。

シーズン中は輝いていた、生え抜き選手だけで構成される1番~5番の自慢のクリーンナップ*2が嚙み合わず、元々課題のあった下位打線はソフトバンクが繰り出す投手陣の前に手も足も出ない*3

投手陣も、先発陣こそそれなりに本領を発揮したものの、自慢の救援陣がピリッとせず、最終戦では明らかな勝ちパターンのゲームで石井大智投手が被弾する、という悲劇。

最後に打たれたのは村上投手だったが、「1点」が遠かった今年の日本シリーズで、あの展開で同点に追いつかれてしまったら、そこから再度勝ち越しの「1点」を取りに行くのは至難の業、というほかないだろう。

かくして1勝4敗。あっけなくゲームセット。

就任1年目の藤川監督の口から出てくるコメントは基本前向きだし、実際まだまだこれから、という思いは強いのだろうが、1年目にチームを優勝に導いた新人監督が2年目以降もコンスタントに結果を残せる保証はどこにもない*4

特に、今のタイガースが、打線も投手陣もここ数年”熟成”されたものがベースになっていることを考えると、ここから更なる伸びしろを期待するのは、実は結構難しかったりもするわけで、そんな状況で来年以降も結果を残せるのかどうか・・・。

このチームを応援する限り、次の蓋を開けてみるまで不安が消えることは決してないのだけれど、せめて、オフの間に一つでも二つでも明るい材料が出てくる馬良いなぁ・・・と今は願うばかりである。

*1:しかしあの時も気持ちの良い試合は一つもなかった気がする。

*2:しかもそのうち4選手はドラフト1位入団、というまさに編成冥利に尽きるような構成である。

*3:終戦で高寺選手が2安打したのが光明、ではあったが、相手投手のギアが上がってくると太刀打ちできず、結局最後のバッターになってしまった。

*4:ソフトバンクやかつての巨人のように戦力が充実しているチームは別だし、落合監督のように傑出した野球眼があればまた違う話になってくるが・・・。

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