毎年のことながら、正月の2日目とくれば、「箱根駅伝」。
今年の最大のトピックは、完全復活を遂げようとしている早稲田大学が、山登りの5区で(日テレ的には)“神”と化した東洋大学・柏原選手*1を押さえられるか、というところにあったのだが、実況の煽りの甲斐あってか、結局、東洋大学が3年連続で見事な逆転劇を遂げる結末となった。
1年目の快走以来、毎年のように、走り出す数時間前から期待を寄せられる状況で、きっちりと結果を出すのだから、大した選手なのは間違いない。
ただ、去年一年間、スランプであまり満足のいく結果を残せていなかった、ということもあってか、柏原選手の走りが過去2年間と比べると精彩を欠くものだったのも事実。
4区の同級生、宇野選手が区間3位の力走で順位を3位に押し上げ(4人抜き)、上位との差をいつになく僅差(2分54秒差)にとどめておいてくれたから良かったものの*2、例年のようなポジションとタイム差で襷をもらっていたら、どうなっていたか分からない*3。
調子が悪い中でも、「ここまで走れたのが不思議」と本人に言わせるくらいの何かが、箱根にはあるのだろう*4。
だが、無理やりここにピークを合わせて猛烈な走り込みをしたツケが、春以降の本格的な陸上シーズンに回って来ないとも限らないわけで。
同じことは、柏原選手に限らず、少なからず故障を抱えながら、それでも正月のこの2日間に毎年ピークを合わせてくる、各校の有力選手たちについても言えること。そして、これは、日本が長距離トラック種目やマラソンの国際大会で結果を出せなくなったここ数年、ずっと識者から指摘され続けていることでもある。
箱根駅伝に出ることが人生の最大目標、という選手ならまだしも、現時点で、1万メートルを28分台前半で走れる能力を持っていて、将来日本の陸上長距離界を支えていける可能性を持っている選手たちが、関東学連主催のローカル大会(いわばコップの中の争い)になぜそこまで・・・という問題意識を日テレ関係者以外のメディア関係者がもう少し持っていかないと、状況はなかなか好転していかないだろう。
まぁ、僅か4年間しか経験できない「学生」という環境で、“チーム”として日々練習を続けている以上は、本番で母校の襷をつなぐために必死で頑張る、という思いに駆られるのも理解できないことではないし、それを一概に否定することはできないのだけれど・・・
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