2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年の結びに代えて

昨年に続き、今年も年末年始の休みが長くとれる、ということで油断していたら、あっという間に日が過ぎて一年の最後の日、ということになってしまった*1。今年の初めに、無理やりにでも「時間を作る」ことに力を注ぎたい、と高らかに宣言した割には、相変わ…

2014年12月&通年のまとめ

いよいよ2014年最後のエントリー、ということで恒例のまとめを残しておく。12月のページビューは、29,000件強、ユニークユーザー数23,000人超。年初めから、更新頻度が低調だったこともあって、通年のページビュー(35万弱)、ページビュー(26万人超)とも…

2014年の裁判例アーカイブ(暫定版)

いよいよ年末も押し迫ってきた、ということで、一応、今の時点で今年取り上げた裁判例リストをアップしておくことにする。知財系で最もインパクトのあった判決は何か、と言えば、特許の世界では「アップル対サムスン」、著作権法の世界では「自炊代行」とい…

突然訪れた世代交代の時?〜全日本フィギュア2014

五輪シーズンが終わって、一気に主役が去ってしまった感がある日本のフィギュアスケート界。男子で言えば、高橋大輔、織田信成、という長年、日本のトップを争ってきた選手達が昨シーズンで引退してしまったし、女子も、安藤美姫選手、鈴木明子選手、村主章…

最後に用意されていた順当なドラマ。

今年から導入された、ファン投票上位馬への出走奨励金、という“ニンジン”の甲斐もあってか、最近では珍しく豪華なメンバーが揃った有馬記念。 その一方で、これまた新趣向の枠順ドラフトシステムが、エピファネイア、ゴールドシップ、ジャスタウェイ、といっ…

「ブックガイド」企画に訪れた刺客。

毎年、年末の恒例企画として法務関係者を楽しませてくれるBusiness Law Journal(BLJ)誌の「法務のためのブックガイド」特集。BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 2月号 [雑誌]出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン発売日: 20…

まだまだ見えない「新・職務発明制度」の完成型〜特許制度小委員会報告書(案)公表を受けて

12月にサプライズな選挙日程が入ったせいか、今年は、年末になって、審議会等で議論されてきた立法検討事項に関する取りまとめが、バタバタと世に公表される、という展開になっている。そして、知財の世界で、今年一番のトピックだった「職務発明制度」に関…

「古地図」をめぐる諍いの果てに

東京を生活圏としている者にとって、比較的接する機会が多いのが、古い時代の町並みを再現した「古地図」である。23区内の書店の中には、わざわざこの種の地図本のコーナーを設けているところもあり、手に取って、会社や、馴染みの深いスポットのあたりを見…

「ハイスコアガール」をめぐる刑事手続に投げかけられた憂慮の声

新聞等の一般メディアでは、さほど大きく報道されてはいないものの、「今年の3大著作権ニュース」の一角を占めるのは間違いない、と思われるのが「ハイスコアガール」事件である。ネット界では長らく話題になっている事件で、詳細については、ここで説明す…

年の瀬にようやく出た弁護士ランキング。

毎年、12月の日経法務面の名物企画となっている「企業法務・弁護士調査」特集。本来であれば、先週15日くらいには掲載されていても不思議ではなかったのだが、イレギュラーな選挙に水を差されたか、年の瀬も押し迫った12月22日付の紙面に掲載されることにな…

もっと注目されても良いニュース〜運営会社の勝訴的(?)な和解で終わった「TUBEFIRE」著作権侵害訴訟

今朝の朝刊にひっそりと掲載された著作権訴訟に関するニュースがある。裏社会面の真ん中くらいに小さな見出しで掲載され、内容的にも派手派手しい判決ではなく「和解」を報じるものだけに、普通の人なら読み飛ばしてしまいそうな扱いなのだが、よく読むと、…

国民審査の意外な結果

衆院選の低投票率に引きずられる形で、前回よりも6ポイント以上も投票率が低下した最高裁裁判所裁判官の国民審査。いつものことながら、罷免の「×」が過半数を上回ることはもちろんなかったわけだが、今年の数字を見ると、いろいろと興味深いところはある。 …

天国と地獄へのエレベーター

土曜日のJ1最終節。楽々逃げ切る雰囲気だった浦和の赤い奴らが勝手にコケてくれたせいで、最後の2〜3節くらいから急に面白くなり、最終節の試合もそんなシーズンの動きを如実に反映したような展開で、テレビで刻々と変わっていく上位チームの試合展開を、た…

最高裁判所裁判官・国民審査対象各裁判官の個別意見について(2014年版)

前回の総選挙からちょうど丸2年が経とうとするタイミングで、再び訪れた審判の時。 そして、それに合わせて行われるのが、最高裁裁判所裁判官の国民審査である。いつも言われているとおり、一般市民にとっては限られた情報しかない状況で、特定の人に「×」を…

商標無効審決取消訴訟に持ち込まれた“蒸し返し防止”の発想。

最高裁のHPにアップされた商標関係の審決取消訴訟をいくつか眺めていたら、一見普通の類否判断が争われているように見えて、知財高裁が、訴訟法上大変興味深い形で決着を付けた、という事案を偶々見つけてしまった。これまで商標に限らず、知財系の審決取消…

「和」の貴さを感じたとき。

東日本大震災から、間もなく3年と9カ月・・・という2014年12月3日に、仙台高裁で一つの和解が成立、というニュースが報じられた。 「東日本大震災の津波で送迎バスが流されて死亡した宮城県石巻市の私立日和幼稚園の園児4人の遺族が、計約2億6700万円の損害…

遠すぎた7つ目のタイトル

彼女にとっては、“前哨戦”に過ぎない天皇賞・秋で、イスラボニータとの競り合いを制して2着に食い込む意地を見せ、迎えた東京芝2400mの大舞台。 過去2年と同様にターフを回って来れば、前人未到のジャパンカップ3連覇、そして、シンボリルドルフ、テイエ…

2014年11月のまとめ

先月の時点で既にあきらめモードだったのだが、予想通り、年末が近づき、冷え込みが厳しくなるにつれて、降ってくる仕事の山、山、山・・・ホント、毎日、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・という感じで、打ち合わせをこなし、メールを捌き、仕事のログ…

職務発明制度見直しの真っただ中で世に出た強烈な判決〜野村證券職務発明事件地裁判決

長らく続いている特許法35条見直し、職務発明制度改正の動きも、そろそろひと段落しつつあるようである。 先日行われた審議会小委の資料も既にアップされているので、いずれ取り上げるつもりなのだが、そんな中、現在見直しの遡上に挙がっている現行特許法35…

「7年」という月日が変えたもの、変えなかったもの〜中山信弘『著作権法』〔第2版〕より

東大の中山信弘教授(当時、現・名誉教授、明治大学特任教授)が、待望の概説書『著作権法』を世に出されたのは、2007年10月のことであった。 自分などは、序文から既にほとばしってくる、著者の熱い思い(混迷する著作権制度への憂いと、新しい時代に対応す…

時代を作ったスケーターに精一杯の敬意と感謝を込めて。

村主章枝選手が、遂に「現役引退」を表明、というニュースが13日から今日にかけて報じられている。6歳でスケートを始めてから、競技生活は実に28年。 シニアの第一線で活躍し始めてからも20年近く、という驚異的な時間を、彼女は氷上の演技者として生きてき…

予備試験もそろそろ一息、か。

今年でもう4回目、ということで、そろそろスルーしても良い頃なのかもしれないが、短答・論文・口述の試験スタイルに郷愁を感じる世代の人間として、今回も一応コメントしておきたい。 「法務省は6日、2014年の司法試験予備試験に、前年より5人多い356人が合…

勝負の舞台は最高裁へ〜自炊代行事業者の果敢な挑戦

先月22日に、知財高裁で控訴審判決が出された「自炊代行」著作権侵害事件。判決の結論に対して、というよりは、あまりに古風に過ぎる判決内容に対する憤り半分、あきらめ半分で、エントリー*1を書き上げたのが1週間ほど前のことだったのだが、上告期限を目前…

「1対1」の勝負で見せたジェンティルドンナの執念。

本命馬が微妙に勝ち切れず、“傑出したスター”の登場を待ちわびるファンにとってはもどかしいレースが続いた3歳クラシック戦線も先週で終わり、いよいよ古馬が主役となる本格的な秋のG1シリーズの季節が到来した。そして、今回、「第150回」という偉大な節目…

2014年10月のまとめ

あまり盛り上がるところもないまま、あっさりと日本シリーズが終わってしまい、気が付くと今年も残すところあと2か月。この時期になると、止めどもない勢いで仕事だの、その他のややこしい雑事だのが流れ込んできて、年末に向けて一気に駆け抜けるほかない、…

久々に垣間見た「大阪」の意地〜ディスプレイフォント事件控訴審判決が示した創作者救済の道筋

テレビ放送で用いる「ディスプレイフォント」をめぐって、フォント製作事業者とテレビ局が争っている事件がある。昨年夏に大阪地裁で出された第一審判決については、このブログでも紹介したところで*1、「フォント」が著作権で保護されない、という前提に立…

中小企業の“反乱”で入り込んだ迷い道〜職務発明帰属「選択制」報道をめぐって

今月半ばの報道*1で、ほぼ方向性は決まったか、と思われていた「特許法35条改正案」だが、ここにきて、再度、二転三転、さらに四転び目くらいまで行きそうな気配になっている。先週のいくつかの報道に接して、書かないと・・・と思っていたところで、日経の…

これが解釈論の限界なのか?〜自炊代行訴訟・知財高裁判決への落胆と失望

昨年9月30日に第一審判決が出てから、はや1年超。 単純な「控訴棄却」事件であれば、1回で結審して早々に判決を出すことも稀ではない知財高裁が判決まで1年以上も引っ張った、ということもあって、ユーザーサイドの人々を中心に“かすかな期待感”を抱く向きも…

社外取締役導入をめぐる神学論争への溜息

先の通常国会で、会社法改正案が成立し、定時株主総会において「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明義務が課されることになった(法327条の2)こともあって、今年から来年にかけて、上場しているレベルの会社では、社外取締役の導入が一気に進ん…

「政治献金再開」の掛け声を前に思うこと。

先月、経団連が「政治献金への関与を5年ぶりに再開する方針」を打ち出した、というニュースに接し、何となくもどかしい思いでいたのだが、日経新聞の企業面の「経営の視点」というコーナーに、安西巧編集委員が「企業献金、論争の半世紀/経団連再開、賛同少…

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