2011-01-01から1年間の記事一覧

悪夢のような一年を終える日に。

あと2時間も経たないうちに、「2011年」という年が終わる。正直、3月11日より前に起きた出来事、というのは、自分にとっては遠い昔の出来事になってしまっていて、どんなことがあったか、すぐに思いだすのは難しい*1。それっくらい、あの日に起きたことと、…

2011年12月&通年のまとめ

既に年が明けてしまっているが、月末&年末ということで、まとめておく。今月のページビューは35000件強、ユニークユーザーは25000人超。 そして、年間の数字ではページビューが約36万5000件強、ユニークユーザーが26万5000人超、といったところ。昨年に比べ…

2011年の裁判例アーカイブ

以前に比べると、取り上げるジャンルもだいぶ変わってきているし、まだまだ積み残しているものも多いのであるが、一応年末恒例、ということでまとめてみる*1。例年と同じく、後で書き加える場合もあると思うので、ご承知おきいただければ。 知財関連判例 ◆「…

手放しで喜べない知財高裁判決の危うさ〜私的録画補償金判決をめぐって

昨年末に引き続き、年末のビッグニュースとなった「私的録画補償金事件」におけるメーカー側勝訴判決の報*1。 一審の東京地裁(東京地判平成22年12月27日)に引き続き、SARVH側の請求が退けられたことにより、 「これでデジタル専用録画機器(正確には「アナ…

債権法改正を遮二無二進めようとする人と、それに抗する人と。

今年一年、企業法務をめぐる様々な動きがあった。 やはり一番のインパクトは震災、原発事故絡みのあれこれだったと思うのだが、もうひとつ、債権法改正をめぐって、「中間論点整理」&それに対する意見募集、という大きな動きがあったことも忘れてはならない…

冬休みに読みたい「バイブル」的問題作。

「BUSINESS LAW JOURNAL」で定評のあるレクシスネクシス・ジャパン社が、新たに「BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS」シリーズを出すことになったようだ。第1号のネタは、先に紹介したBLJ2月号*1でも誌上連動企画が掲載されている「暴力団排除条例」。噂を聞いて、…

「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度」をめぐる思惑

今月の上旬に公表された「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子」。 http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000082083パブコメ募集の締め切りまであと数日。内容的には結構コンパクトにまとめられた完成度の高い「骨子」だと言える…

新世代の台頭だけが印象に残った全日本。

ここのところ、年末の恒例となっている全日本フィギュアスケート選手権大会。 今年は、クリスマスシーズンと重なったこともあり、一層華々しい大会・・・となるはずだった。だが、これまで日本の「看板」を支えてきた選手たちの見せ場といえば、男子ショート…

悪い予感が的中した不幸と、未来への希望を感じた幸福と。

このブログに予想を書くとロクなことがない・・・と分かっていながら、書いてしまった自分の責任というべきか。有馬記念の結果は、皆様ご承知のとおり。 三冠馬・オルフェーヴルが堂々の「四冠」達成で、年度代表馬を事実上確定させたのみならず、シンボリル…

2年ぶりに有馬記念予想。

この一年の間に、いろいろあった競馬界。 気が付けばもう有馬記念・・・という感が強い。このブログに週末の競馬の予想を書くと、大抵外れる、というジンクスもあるのだが*1、ここは、これまでの馬券無精をJRAに詫びつつ、思い切って書いてみる。 *1:一番ひ…

進化する『BLJ』

有馬とフィギュアスケートにかまけて、書評の第2弾を書くのをサボっている間に、恒例の「法務のためのブックガイド」を特集に掲げるBLJの最新号が世に出てしまった。BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: …

「抜かずの宝刀」を抜いたツケ

2年続けて年末のビッグイシューとなった、「私的録画補償金」訴訟の判決。昨年の暮れに出た第一審では、最大の争点であった「アナログチューナー非搭載機器の(課金)対象機器該当性」の争点でメーカーの主張が退けられながらも、「協力義務違反による不法行…

Winny無罪は必然か?それともクリスマスの奇跡か?

20日の夜から21日にかけて、一斉に報じられた、「『ウィニー』開発者無罪確定へ」というニュース。 最高裁で検察官上告が棄却され、開発者の金子勇氏に対して「逆転無罪」判決を言い渡した大阪高裁の判決(大阪高判平成21年10月8日)が維持されたことにより…

「自炊代行」訴訟の火蓋が切られた日。

このブログで「自炊」について初めて取り上げたのは、昨年9月のこと*1。その後も、世論が盛り上がるたびに、ちょこちょこ記事を書いてきていたのだが*2、とうとう作家側が一部の代行事業者を提訴する、という事態にまで至ってしまった。 「私的な目的で小説…

「小売商標導入前夜の仇花」が散った日。

「最高裁HP」といえば知財関係事件の判決集が掲載されているHP、というイメージが強いのだが、一方で、本当に「最高裁」が出した知財判決は少ない、というのが業界の常識だった。だが、先日の北朝鮮映画著作権事件に続き、今度は商標法の分野で、最高裁が書…

時代はめぐる。

未だに謎が多い朝鮮半島の北の方の国の「総書記」(というか最高指導者)が、17日死去していたことが、今日のニュースで一斉に報じられた。心臓の発作で・・・という話を聞いたときに、 「自ら陣頭に立って産業の中心に据えようとまでしていた自国映画の著作…

所詮テレビネタの話ではあるのだが・・・

昨日の「THE MANZAI」で、パンクブーブーが優勝したことに対して、一部の視聴者から批判も出ている(?)そうだが*1、あの4組のネタを全部聞いて、パンクブーブー以外の芸人に票を入れる審査員の感覚の方が、個人的にはどうかなぁ・・・と思った*2。っていう…

世界は広い。

久しぶりに日本に帰ってきたクラブW杯。 決勝の対戦も天下無敵のFCバルセロナに、ブラジルの名門・サントスが挑む、という出来すぎのカードで、好勝負を期待したのだが・・・試合前に多くの人が期待し過ぎると凡戦になる、という“トヨタカップ以来の伝統”を…

弁護士ランキング2011

今年も年末の風物詩、「2011年に活躍した弁護士ランキング」が日経紙に掲載されている*1。今年も企業141社、弁護士233人のアンケートにより順位付けがされているのだが、昨年のこのランキングに関するエントリーで*2、 「企業票が0票、1票の人がランクインし…

公取委の一大キャンペーン

事前相談なしの大胆な統合発表*1から、はや10ヶ月。 その後の企業結合に関する審査指針の改訂*2もあって、進捗に注目が集まっていた新日鉄・住友金属の合併計画だが、公取委は実に華々しく、記者会見まで開いて「審査結果」を公表した。 「新日本製鐵株式会…

今なぜ「新しい商標」なのか?

最近、「TPP」対応、と言うと何となく話が通りやすい・・・そんな風潮でもあるのだろうか。日経紙の13日付夕刊で、まさかの1面トップに掲載された「商標、音や動きも認定」という見出しの記事を見て、ふとそんなことを思った。 「特許庁は企業のロゴマークな…

主役のいないグランプリファイナル。

カナダはケベックで行われた今年のフィギュアスケート、GPファイナル。本来ならば主役として表彰台の真ん中に立つはずだった浅田真央選手が、母親の危篤の報を受けて急遽帰国し、そのまま無言の再会・・・という悲劇が週末に報じられたこともあって、何とな…

「ステキな金縛り」に見る刑事訴訟の本質

前宣伝の頃からずっと見たいと思っていた三谷幸喜脚本・監督の「ステキな金縛り」を、ようやく見に行くことができた。「ステキな金縛り」オリジナル・サウンドトラックアーティスト: サウンドトラック出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2011/10/05メデ…

最後の最後で使われた切り札。〜北朝鮮映画著作権事件の決着

平成19年の年末に第一審判決が出され、結論の是非をめぐって、マニアックな知財業界の一部で盛り上がりを見せた北朝鮮映画著作権侵害事件。その1年後には、知財高裁が、映画の著作権による保護を否定しつつも、一般不法行為の成立を肯定し、放送局(一審被告…

相通じるもの

今、Twitterで大人気になっている「各部門ネタ」。 「2+2=?」 http://blog.livedoor.jp/kigyouhoumu/archives/52510788.html 「今日、すごく寒くないですか?」 http://blog.livedoor.jp/kigyouhoumu/archives/52391193.html 作者(katax氏)の絶妙なユ…

「社外役員」を連れてくれば足りるのか?

最近、様々な企業不祥事が話題になっていることもあって、「社外取締役」や「社外監査役」といった社外役員にスポットを当てた議論が再燃している。先日公表された「会社法制の見直しに関する中間試案(第1次案)」でも、社外取締役の選任義務付け、監査・監…

これぞ契約の「教科書」

最近、少し時間が取れたこともあり、久しぶりに新書等をいくつか読み終えることができたので、何回かに分けて、感想などを書き残しておくことにしたい。まず一冊目は、あちこちで評判になっている福井健策弁護士の新刊である。ビジネスパーソンのための契約…

天と地の差。

毎年のように“ダービー”で競い合い、J2降格の時も仲良くお付き合いした片割れのチームが、復帰初年度にJ1制覇、という快挙を成し遂げてしまった裏で*1、ひっそりとシーズンを終えてしまった千葉の元J1チーム。“ユナイテッド”と名乗るのもおこがましいくらい…

2011年11月のまとめ

月末に差し掛かる頃から、少し落ち着いて、腰を据えて仕事に取り組んでいけるかな・・・という雰囲気が出てきてはいるのだが、それまでひたすら目の前の案件の処理に追われる“リアクション芸人”的な生活が長かっただけに、 「さぁこれから自分の仕事をしよう…

だから商標は面白い。

「『面白い恋人』なんて面白くない」 という、笑うところなのかどうか迷ってしまうような見出し*1が紙上に踊った、「吉本『面白い恋人』事件」*2。日経紙の記事によれば、 「北海道の人気菓子「白い恋人」を製造・販売する石屋製菓(札幌市)は28日、類似商…

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